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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第116話 ホムンクルスの一件

「っと、そっちは……桜満の言っていた、最近、成伯が行動を共にする事が多いっつー『月城舞奈』あるいは『かりん』か? なんだか面白いものを連れているが……」

 私とブルルンちゃんを交互に見て、そんなもっともな疑問の言葉を口にする稲郷さん。

 

「あ、はい、月城舞奈といいます。こっちは成伯さんが生み出した使い魔で――」

「ブルルンというブル!」

 私の言葉を引き継ぐように、自らの名を告げるブルルンちゃん。

 

「ああ、やっぱりそうだったか。それと、なるほど……成伯の使い魔か。ある意味、今までいなかったのが不思議なくらいだし、納得と言えば納得だな」

 そんな感じで納得しつつ、ブルルンを眺めた後、

「俺は稲郷蓮也。阿良木と同じ部署のモンだ、よろしくな」

 と、簡潔に自己紹介してきました。


「よろしくお願いします」

 私は稲郷さんにそう返しながらおじぎをすると、そのまま疑問の言葉を続けます。

「ところで……先程言っていたホムンクルスの一件というのは……?」

 

「ああ、まだ成伯や阿良木からその話を聞いていなかったのか。ホムンクルスの一件っつーのは、まあ……簡単に言えば『異形化因子』とやらを利用して、『新たな生物』を人の手で生み出し、そこへ魂を移植しようとかいうイカレた事を考えやがった、自称『錬金術師』どもが引き起こした大規模な拉致事件――いや、拉致虐殺事件だな。実験体にされたモンはひとり残らず死亡しちまったからな」

「そうだね……。何人かは救出出来たけど……それ以外は全滅だった」

 阿良木先生が稲郷さんの説明に頷き、苦虫を噛み潰したような表情をする。


「……そんな酷い事件があったんですか……。全然知らなかったです」

 私はなんと言って良いのかわからず、そう返すと、

「ま、海外の話だし、情報規制もかなり厳重に敷かれていたからね。むしろ日本にいる月城が知っていたら驚きだよ」

 と言って肩をすくめてみせる阿良木先生。

 

「で、だ。成伯が『ちょいとばかし魔法』を使って拠点――研究施設を制圧したお陰で、拉致事件自体はちと強引だが『とりあえず』解決したんだわ。ただ……研究の為の資金がどこから流れてきていたのかが不明でな。俺が残ってその辺りの調査を継続していたんだよ」

 なんか部分的に妙に強調していましたが……まあ、成伯さんですしね。

 などと納得しながら、

「あ、新たな生物に、魂の移植ですか……。なんというか……言っている事がとんでもないですね……」

 と、そう思った事を口にする私。

 それに対して稲郷さんは、やれやれと言わんばかりの表情で首を横に振りながら、「ああ、まったくだ」と返してきました。

 

「ちなみにその『異形化因子』というのは、もしかして……『魂の欠片』――いえ、『魂の欠片』を加工した例の薬品……ですか?」

 続けざまにそんな問いの言葉を投げかけると、稲郷さんの代わりに阿良木先生が返事をしてきます。

「実の所、連中が『そう呼んでいる物』が何なのかは、まだ判明していないんだけど……でもそうだね、それの事を指している可能性が高い気はするね」

 

 そんな私と阿良木先生の会話を聞いていた稲郷さんが、「例の薬品?」と言って首を傾げます。

 まあ、例の薬の存在が判明したのは今日ですしね……


「実は――」

 と、私よりも先にそう切り出し、あれこれと説明する阿良木先生。

 そして、その説明を聞き終えた所で稲郷さんが、

「なるほどな……。つーか……思いっきりドンピシャな感じだな……」

 なんて言いました。


 まったくもってそうですね。

 ……というか、改めて説明を聞いて纏めてみると、何かがひっかかりますね……


「因子に、薬品に、錬金術……。それと、先程の学校――隠し部屋の状況……」

 誰にともなくそんな事を小声で呟きながら、私は思考のパズルを組み立て始めました――

思ったよりもホムンクルスの一件に関する説明が長くなってしまったので、やや区切りとしては微妙な所ですが、一旦ここで区切ります。


というわけでまた次回! 次の更新は1月22日(土)を予定しています!

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