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ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~  作者: TOMA
SCROLL1 異世界の大魔道士、高校生になる part2
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第94話 舞奈発見

「簡単ブル! 任せるブル!」

 見上げるような格好になりつつ、短い手……じゃなくて、短い前足を真上にピッと向けてみせる使い魔。

 

「じゃあ、頼む」

 そう俺が言うと、使い魔はパーカーに鼻の部分を近づけるような動きを見せた後、

「ばっちりブル! 同じ匂いを感じ取ったブル! ついてくるブル!」

 と言って、すぐに移動を始めた。

 

 っと、ヌイグルミが浮いて動いているのが周囲に見えたらヤバいな。隠蔽しておかないと。

 

 俺は使い魔に隠蔽の魔法をかけつつ、その後を追いかける。

 ああ、念の為、もう一度メッセージを送っておこう。

 

 そう考え、メッセージを送りながら使い魔を追いかけていくと、人影がまばらなショッピングセンターの最奥部へと辿り着いた。


 この先に階段があるな……

 階段を使って上か下へ行った……のか?

 

 地図を見ながらそんな推測をしていると、使い魔が、

「かなり近づいて来たブル! でも、急に血の匂いが混じってきたブル……」

 なんていう、とんでもない事を言ってきた。

 

「……血!?」

 驚きと焦りの入り混じった表情で声を上げるかりん。

 俺もまた声こそ出さなかったものの、内心では同様に焦っていた。

 

 だが、使い魔の嗅覚に任せる以外に探しようがないので、使い魔を追うくらいしか出来ない。

 どうにか心を落ち着かせながら、先を行く使い魔を追う。

 

 そして、遂に舞奈のもとへと辿り着き、人気のない階段で複数のナイフをその身に突き立てられ、血まみれになった状態で倒れている舞奈の姿が、俺の視界に飛び込んできた。


「舞奈!」

 かりんが慌てて駆け寄る。

 

 俺は同じように駆け寄りたくなる衝動を抑えながら、周囲を素早く索敵する。

 舞奈がこの場に放置されているのが、囮なのかそうではないのか分からないからだ。

 ……気配、なし。放置して立ち去った……のか?

 

 何にせよ、いないのなら問題ない。

 すぐに舞奈へと駆けよる俺。

 

「心の臓が動いてないっ! ど、どうすればっ!」

 泣きそうな表情で慌てふためくかりん。

 

 救急車……を呼んでも、今からじゃ遅すぎる……

 回復魔法……は、治癒特化ではない俺には蘇生なんて高レベルなものは使えない……

 

 何か手は無いかと高速で思考し続けていると、かりんはハッとした表情をし、

「そ、そうだわ! 大いなる癒やしの力よ、我が前にて傷つき倒れし者に生命の息吹を与え給え……っ!」

 と、蘇生魔法の呪文を詠唱した。

 

 たしかにかりんなら、そのレベルの回復魔法を使えるだけの資質がある。

 そして、蘇生不能になるまでにはまだ猶予があった。

 蘇生魔法さえ発動すれば息を吹き返すだろう。

 

 ……発動すれば、だが。


 そう、蘇生魔法は発動しなかった。

 かりんの今の力量、技量では発動させる事が出来なかったのだ。

 

「くぅっ! 大いなる癒やしの力よ――」

 再び詠唱を開始するかりん。

 

 ――しかし、何度詠唱しても、蘇生魔法が発動する兆しすら見えない。

 ……残念だが、かりんの魔法に頼るのは現状では難しそうだ。

 他に何か手は……

蘇生不能になるまで……と言っていますが、これは蘇生魔法とはいえ、なんでもかんでも蘇生出来るというわけではなく、死亡から一定時間以内に使わないと効果が発揮されなくなる、という仕組みになっているからです。


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は、11月9日(火)を予定しています!

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