Hell Seed2
午前6時を知らせるアラームが部屋に響き渡る。
寝台から手を伸ばしアラームを止める。
「ん~」
寝台に寝ころびながらホムラは伸びをする。
十数秒ほど寝転がった後、上体を起こして学校へ行く準備をする。
(そういやなんもなくなってないよな。昨日はいろいろあり過ぎて確認してなかったぜ)心の中で呟き、寝ぼけた頭で確認する。
特になくなっているものはなかった。
写真やデータも異常は無さそうだ。
そして、いつもと変わらぬ支度を済ませ、学校へ向かう。
教室に着き、自分の席に着く。
「よっす」
前の席にいる少女が話しかけてくる。
「はよー」
ホムラは腑抜けた返事をする。
「んで、例の写真は撮れた?」
少女は体を乗り出して聞いてくる。
「ふふふ、撮れてるよ」
ドヤ顔をしながらホムラは、カバンからカメラを取り出し、少女に撮った写真の数々を見せる。
「これが例の大樹?」
少女は受け取ったカメラのディスプレイを、ホムラへ向ける
「そう」
「じゃあこの周りのが」
「不可侵領域」
「はぇ~なんだかすっごいドス紫だね」
データ内写真には、一つの背景が映し出されている。
その景色は、手前側は青々とした森林が広がっているが、奥の方の木々は枯れはて、空気は淀み、紫色の霧がかかっている。その中にひときわ大きく、白い大木が聳え立っていた。
「ねぇ、知ってる?」
「何が」
「二つ目の大樹があるかもってゆう噂」
写真を流し見しながら少女が言う。
「え?何処に?」
ホムラは目を輝かせる。
「この大樹とは別の場所に、しかもその大樹、不可侵領域を生命の住める地に変えるって言われてるらしいよ」
「それってマジ?」
「さあ?ただの噂かもしれないけど、外で働く人が見たってことで広まってるみたい」
「私も外に行きたいな~」
ホムラのうらやましそうな顔を見て、ヒサメは呆れた顔をする。
「ほんと性懲りもなく外への憧れを持てるよね」
「そらこんな閉鎖空間に居たら外に出たくなるでしょ」
「あんただけでしょ」
「そんなことないし。てかあんたが興味ないだけでしょ」
ホムラの顔がふてくされた顔になる。
「そんなことないし、興味なかったらこんな話に食いつかないでしょ」
「それもそうか」
少女は写真を見終わったらしく、ホムラへカメラを手渡す。
「それで、今日も行くの?」
「どこに?」
「撮影現場」
「んや、今日はいかないかな」
「なんで?」
「毎週日曜の昼に、なんでか知らないけどシールドルーター周りの警備員が2,3時間ごと十分ほどいなくなるタイミングがあってさ。そん時に出入りする感じだから、今日行っても時間がないし、下手したら捕まる」
「それ大丈夫なの?」
「今んとこは大丈夫かな。あ、そうそう実はさこの写真撮った時、変なのに襲われたんだよね」
「へんなの?」
「なんか赤黒いもやもやに襲われて、シールド外に落ちたんだけどさ、そのあと部屋で目が覚めた」
「夢でも見てたんじゃない?夢って現実で起きたことを見るらしいし」
「そうなんかな?鳥かごの人間がーって言われたしさ」
「不思議だねぇ」
「ねぇ」
たわいもない会話をしつついつもと変わらない学校生活を送る。




