プロローグ
これは、激しくあt・・・すまない、台本を取り違えていたようだ。今とってくるから少し待ってくれ。
えーっと、これ…は違う、こっちは、あれだしこれ…ああ、これだ。
これは、あるカードゲームとそれをプレイする青年たちの物語である。
「ウグイス、お前強すぎだって!ちっとは手加減してくれてもいいじゃんかよォ」
「いや、こっちも事故ってたんだからおあいこだろ。それに、一方的にボコったわけでもねえんだから手加減してられるかよ」
ある高校の一室、TCG部。今この部で流行しているカードゲームの名前は、『BRAVE SPIRIT』という。
製作者の、「先駆けとなって存在していたカードゲームの楽しさ、戦略性はそのままに、問題点をできる限りなくし、レギュレーションによる枚数制限のないものを作りたい」という理念から、発売前からそれなりに期待されていたゲームであり、また、「発売後3週間以内に定着させ、1年後には賞金のついた全国大会、3年以内に世界大会を開催する」と公言していた点からも、注目を集めていた。
第1弾のカードパックの売り上げの伸びはすさまじく、過去のカードゲームに倣ったというだけあって、初のカードパック、ストラクチャーデッキともにゲームバランスは良好と、それなりの評価を得ていた。懸念は、弾が進むごとのマンネリ化と、それに伴ったカードパワーのインフレである。どうしても、「このデッキが強い」といったものが登場すると、それの対策カードを望まれやすくなり、環境上位カードを制限しなければ環境が固定化されてしまう。逆に、突出したデッキがないと、運がなければ勝ち進めないカードゲームとして、ユーザーに見放されてしまう。
現在多くのカードゲーマーによって強いと認められているデッキは二つ。第1弾カードパックの目玉カードを使った「魔王」、ストラクチャーデッキのカードを主軸とした「ブレイヴァー」である。
この二種類がBRAVE SPIRITの最初の環境を作るだろうと予想されている物であり、多くのプレイヤーがこれらのデッキを編成していた。
すんごいカードゲームもの書きたくなったので書きました。うん、どれくらい熱が持つだろうか。
持つ限りは書きます、はい。