PDM活動記……車両について考察する
「我々PDMの活動を支える車両について考察する!」
織太朗はガレージでガレージっぽい事を言い放つ。
「よし!黒塗りのハイエースを導入しよう!」
凛はテンプレート的車両を提案した。しかし、安易な提案に不快感を示す織太朗。
「凛よ……そんな目立つ車体をこの『和歌山県』のド田舎で停車させたらどう考えても怪しいだろう!」
「PDM公認車両は『軽バン』とする!」
凛はジト目をキメ織太朗に問い正す!
「大きさの問題であって、箱バンであることは変わらないよ!」
ネットスラグで有名な『ハイエース』だが、PDMでは不採用となった。
「いや、ハイエース良いと思うけどな?バイクの陸送にはうってつけだし」
「それに、キャンプ用品積んで遠征するときだって人も乗れるし良い事ばかりだけどね?」
結果的に入り浸っているソフィーがハイエースを提案する。PDMの活動においては有益な車両配備を願う3人の意思は意外と方向性は同じのようだ。
「てかさ、そんなデカいバイク持ってるのは……凛だけだろ?」
凛は川崎重工業製変態バイク『ZX-10R SE』だ。
「織太朗君だって『エストレヤ』乗ってるんじゃん!」
織太朗の愛車は 川崎重工業製の可憐な『エストレヤ』だ。
「遅いんだよ……織太朗は……なんで凜さんの10Rと私のNSRとじゃあペースが違いすぎるんだよ!」
ソフィーは織太朗のエストレヤに不満を抱いているようだ!
「何を言ってるんだ!エストレヤこそ至高の愛馬!!ゆっくり和歌山の田舎道を走ろうではないか!」
織太朗は、交通法規を順守するマジメな人間だった。
……但し、存在そのものが犯罪予備軍だ!
「でもさ?織太朗。キャンプ行ったりするならある程度馬力あるバイクのを買うべきちゃう?」
「まさか……かと思うけど……『エストレヤ』って名前が美少女を連想するからとかちゃうやろな!!」
ソフィーは核心を突いたか!?
「煌星の如く!光輝かせて!!閃光の如く!!!輝くエストレヤ!」
織太朗は両手を天に上げ天使の飛来を願う!!
「線香花火みたいにイライラするわ!!!」
ソフィー鬱陶しい言い回しとエストレヤの最高速度に不満をみせた。
「キャンプ用品乗っけたら坂道80キロ出ないでしょ!」
「……あとね……ETC付けようよ……ペースを乱すわ」
旧車であるNSRだが、ソフィーはETCを装備していた。
「もうね、凛ちゃんの10Rで牽引してもらう?」
「それよりもさ……車自体もってないやん……」
織太朗と凛は4輪車は所有していない。
ド田舎であるこの和歌山では死活問題に発展する。
「とりあえず、何でも良いからPDMで3人乗れる車買おうよ?」
ソフィーはタブレットで最新のワンボックスカーを検索する。
「ソフィーは3人乗れてキャンプ道具が積める車両配備を望んでいるのだな?」
織太朗はドヤ顔をキメてテーブルの下から『車らしきパンフレット』を出してきた。
「では『ウラル』を買うことにしよう!ソフィーが乗れば、まさに最高の絵になる!」
「だから!私は和歌山県民だっ!!何回言わせたら気がすむんや!」
ソフィーは机をバンバン叩きつけなが怒り狂う!
「ソフィーちゃん今日はずっと爆発しっぱなしだね?……あ!生理?」
「見た目は小学生っぽいのにね……もうオバサンね……」
凛はソフィーの苛立ちをさらにかきたてる!!
「あーもう!普通にハイエース買おうよ!!」
「ハイエースか……ソフィーよ……よく考えてみろ」
「学校や公園の前にハイエースが止っていたとする」
「間違いなくヤバい車両だと認識されてしまうではないか!」
「ダメだ!ダメだ!ハイエースはダメだ!」
「ハイエース自体ハイエースされるわ、乗ってる我々も公安にハイエースされるわ!」
「ハイエースと関わって何一つ良いことはない!!」
「……よしS660にしよう!」
織太朗は180度方向性が違う軽四オープンカーを提案する!
「バカか!!ツアラーバイクより人も荷物も積めない車買ってどうするんや!」
「S660ではそもそもハイエースできないやろ!」
「そもそも、三人乗れんだろうが!!」
「判っておらんな……ソフィーよ……」
「ソフィーを助手席に乗せてオープンで走れば……」
「まるで、『高級美幼女ダッチワイフ』を乗せて走っている変態に見えるではないか!」
織太朗は天を仰ぎ神の降臨のポーズをキメた!そして……。
「まさに至高の遊び!!」
腕をクロスしポーズを決めた!!
「それに、トランクに入れば二人とダッチワイフで定員は大丈夫だ!」
「だ・か・ら!S660の何処にトランクがあるんや!」
ソフィーは『うさはねアイちゃん』を織太朗めがけて投げつけた!!
「き!貴様!肉便器の分際でアイちゃんを乱暴に扱うとは!!万死に値する!!」
肉便器がエアーダッチを投擲するすさまじい光景だ!
「肉便器肉便器うっさいわ!!私はまだ未経験や!!」
ゼーハーゼーハーっと鼻息を荒くしソフィーは織太朗を怒鳴る!!
「おぉ!さすが肉便器!肉便器と言われるだけで興奮するとは!!まさに変態の極み!!」
「よろしい!では我らが育てたバナナ様を咥えさせてやろう!!」
織太朗はテーブルの上に置いているバナナを一本取った。
「おぉ!これが織太朗の『皮かぶりのソーセージ』を再現したセニョリータバナナ!?」
「これじゃあ39さいのぼくちゃんが独身で死にそうなのも判るわ!」
ソフィーはガレージにある工具箱からパイプカッターを取り出し……
「うりゃ!」
っと掛け声を出し、スパッと織太朗のバナナ様≪模倣品≫の皮をカットした!
「うあぁぁ!!」
織太朗は急所を抱え込んだ!!
「……ってなるか!!てかさ、上手いことバナナ様の皮を切るな……」
パイプカッターで『バナナ様の皮だけを上手に切るスキル』を持つ『ロシア人風女子高生』の爆誕である!
「私が女医になった暁には、パイプカッターで包茎手術を毎分6人は施術してやろう!」
ソフィーはドヤ顔をキメ、パイプカッターをバナナ様に添えた!
「でもさ、織太朗君ソフィーちゃんの言ってるとおり、PDMで一台車買わない?」
「毎回ポンバシからバイクでジャンクパーツとロリギャルゲーのデッカイ箱持って帰るの大変じゃん」
「雨の時とかさ、マスツー出来ない時に暇つぶしにポンバシ行けるようになるし」
※ポンバシとは大阪にあるロリコンの聖地だ!
「うむむ……それも一理あるな……信長書店で大型パロディ商品を買ったときも安心して持って帰るしな」
織太朗はアゴに手を当て真剣に考えてみた。
「やっぱり車は維持費もかかるし、何より自分で弄るには少々手強い」
「PDMでは二輪限定とする!」
「必要なときは会社のハイエースをハイエースすればいい」
「ああ、それは言えてる。結局、ハイエース買っても私たちの目的は『完全なる幼女の錬成』だからね!」
「あと、車買っちゃったらサイズ感を失いそうにならない?」
「なんでも積んで帰れちゃうから、ついついジャンクパーツ屋でサーバー買ったりしそうだし!」
凛はジャンクパーツで自作PCを組み立てる趣味を併せ持っている。
「サーバー買いそうになるのはお前だけだ!……ノート派の我にとっては無縁のセカイだな……」
織太朗はノートPC派だ!?
「だって、ノートPCの方がエリアフリーでエロゲーが出来るではないか!!」
織太朗は天を仰ぎ幼女の降臨のポーズをし願う!!
「……あ……とりあえず、PDMで軽バン買ってよ?」
「高野山でストールしたらNSR回収に来て欲しいし」
ソフィーの乗る旧車バイク……特にNSRは常に何処か故障しているようだ……!!
ソフィーも何処か故障しているらしい……?
「だ・か・ら!私だけがこのPDMメンバーで正常だから!!」
幻聴が聞こえるソフィーに織太朗が慰めようとする。
「まあ、軽バンは欲しいな、考慮しようではないか?」
「……あと……ソフィーよ……生理か?」
「違うわ!!」
今日もロシア人風女子高生の喘ぎ声が田舎の村に響き渡った……!