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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第1章 クーリエ領の怪力次男坊
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第7話 クーリエ領の魔動チェーンソー

 膨大な借金を背負う事になってしまったクーリエ家ではまずは従業員の解雇が発表された。


 家庭教師の先生の首が真っ先に切られたのは仕方がない事だが、赤ん坊の時からずっと一緒だったケイトも仕事を辞める事になったのは悲しかった。


 貧乏になった時に真っ先に切られるのはお父さんの小遣いと子供の教育費ってのはよくある話だ。


 しかし支出を減らすだけではこの窮地を抜け出すことはできない。収入の方を増やさなくてはならないのだ。


 幸いにもクーリエ領は温暖な土地で、雨もほどほどに降り、綺麗な川があって、ワインのためのブドウが育てられている。


 このぶどうの生産を倍増させることが一番手っ取り早い収入の増加策だ。しかし我がクーリエ領には人口が多くない。森を開墾してぶどう畑を増やすための人手がなかったのだ。


 そこで登場したのがトーマスと俺である。なんといっても俺がやっちまった大失敗からの借金である。この借金を完済し、さらにはアカデミーの授業料を稼げるようにならなければ、俺たち兄弟に未来は無い。


 素晴らしい事に俺には水晶を叩き割るほどの魔力があるらしい。一人でこっそり森に入って直径10cmくらいの木に手を当てて、身体中の魔力を木の中に押し出すようにしてみると、手を添えた場所で木は砕けて倒れていった。


 初日は3本の木を倒したところで気分が悪くなってしまった。しかし次の日には10本の木が倒せた。さらに次の日にはもっと太い木を握り潰せるようになった。


 大体地面から50cmくらいの高さのところで握り潰されたように倒れている森の木達。それらが野球場一つくらいの広さになった頃、俺は父親のゴードンをその場所に連れて行った。ゴードンは非常に驚いたが、俺のやったことを褒めてくれた。そうして切り倒されて乾燥した木を燃やしてくれた。


 こうして新しいぶどう畑を広げるんだ。最初は驚いていたゴードンも、真剣に木を倒し続ける俺と、ゴードンの真似をして火魔法で木を燃やして処分するトーマスをいつも誇らしく褒めてくれた。


 ゴードンは新しくできた畑に領民がぶどうの苗木を植える作業の指揮を執り、ついに1年間の作業の中でぶどう畑の面積は倍増を遂げることができた。


 魔法は普通の場合10歳くらいで判別できるようになり、それから属性にあった魔法を使う事で、魔力が増すと言われている。


 もっと早くから魔法を使う方が成長は早そうだが、魔法を使いこなすには精神力が重要である。このためあまり早くから魔法の練習をしても意味がないとされていた。


 俺の場合は精神的には37歳。ゴードンよりも本当は年上なんだ。俺の精神力ならそのくらいお茶の子さいさいだ。


 1年間の木こり生活のおかげで、魔力は跳ね上がり、だいたい両手で抱えられる程度の木であれば、一気に握りつぶす事が出来るようになった。畑の邪魔になる大きな石や岩も簡単に砂利にしてしまえる。


 1日に倒せる木の本数もどんどん増えていき、いつしか気持ち悪くなることも無いようになってきていった。


 そのころには俺の名前はクーリエ領の怪力坊主として広く知られるようになった。俺としては魔動チェーンソーって言って欲しかったんだけどね。ああこの世界にはまだチェーンソーが無かったわ。

読んでいただきありがとうございました。

これからしばらくは毎日19時に更新をしていくつもりです。


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