閑話3 シングルマザー-ナンシー視点
本日は第3章の人物紹介と地図を後ほどアップいたします
エレーヌ様の側使えとしてアカデミーの寮に入り、実際には恋人として過ごした日々。
そんな中でピーターと何度か愛し合えたのは本当に夢のような事だ。
そんな生活の中で、きちんと飲むように渡されていた避妊の魔法薬を途中から飲むのをやめた。
そうしているうちに女の子の日が来なくなり、2ヶ月が経とうとする頃、エレーヌ様がピーターとの婚約解消を提案した。
このタイミングで実家に帰れば、誰にも気づかれる事なく、ピーターの赤ちゃんを産むことができるだろう。
ピーターはきっともっともっと凄い人になってしまう。
そう絶対にあたしなんかが側に居てはいけないくらいの。
だからあたしにはピーターの赤ちゃんがいれば良い。
今の身体ではエレーヌ様の恋人はもう長く勤まらない。
そんな自分勝手な理由でおヒマをもらったのに、エレーヌ様は退職金として金貨1枚を下さった。
さらにピーターは小さな袋の中にダイヤモンドの原石をゴロゴロと飴玉みたいに無造作に詰め込んだものを渡してきた。
おかげでクーリエ領の実家へはゆったりと馬車を使う事ができた。
悪阻が急に酷くなってしまったので、とても一人で歩いては帰れなかっただろう。
また生まれてくる赤ちゃんの養育費も、きっと贅沢をしなければ、一生働かないでも大丈夫じゃないだろうか。
クーリエ領では父と母があたしを喜んで出迎えてくれた。
あたしはピーターにもエレーヌ様にも妊娠の事は言わずに帰ってきたので、ご領主様にも見つからないように赤ちゃんを産みたかった。
クーリエ領の外れに小さな家を借りて、あたしは赤ちゃんの服や靴下などを編みながら、ゆったりと過ごした。
誰にも見つからないようにひっそりと
しかし冬の仕込みにクーリエ領に帰ってきたピーターには見つけられてしまった。
赤ちゃんを授かっただけで十分で、もう何も要らないって言っているのに、絶対に自分の子供として認知するってピーターは聞いてくれない。
ピーターには子供の名前をつけてもらうのだけをお願いした。
女の子だったらイレーヌかあ。
実は赤ちゃんは女の子だと思う。
だって時々お腹の中の赤ちゃんの声が聞こえるんだもん。
本当にあたしってラッキーだ。
大好きな大好きなピーターとの間にできた子供と、これからずっと一緒に暮らせるんだから。
ピーターの血を引いているから、天才だったりするのかなあ。
もしかして魔法を使えたりするかも。
妊娠、出産はとっても順調で、ちなみに生まれた赤ちゃんはやっぱり女の子で、ピーターが考えてくれたイレーヌと名付けた。
母さんのケイトはクーリエ家のメイドの仕事を半分に減らして、私とイレーヌの世話を助けてくれた。
弟のルーシーは実はピーターにとっても異母弟だ。つまりイレーヌは二重の意味でルーシーの姪っ子になるのだ。
そんなルーシーが父親のかわりになって、いつもイレーヌを可愛がってくれる。
クーリエ領はピーターのおかげでとても裕福な土地になり、どんどん成長していっている。
たくさんの人が新しくやってきて、どんどん賑やかに、便利になっていっているし、ご領主様は領民のために学校や保育園も作ってくれた。
ご領主様はあたしに実入りの良い仕事を世話してくれたりもする。
そんな土地でイレーヌとともに生きていける幸せを与えてくれて本当にありがとう。
読んでいただきありがとうございました。
これからは毎日7時に更新をしていくつもりです。
更新頑張れ!
続きも読む!
と思ってくれた方は、下の評価クリックで応援してくれるとすごく嬉しいです!
気に入ってくれたらブックマークしてくださいね。
また感想や誤字脱字など教えてくだされば、とても嬉しいです。
よろしくお願いします