第28話 ピーターとマリーの結婚
俺は無線通信を終えてから、覚悟を決めたように後ろを振り返ったマリーに対し、
「俺もフルショア公国にマリーと一緒に行くよ」と告げた。
しかし即座に
「申し訳ありませんがピーター、それは認められませんわ」
とエリーゼが俺の言葉を遮った。
「ピーター、貴方は王家の友人で私の婚約者です。
つまりリガリア王族と同じなのですわ。
貴方が無関係のフルショア公国に行くというのは、リガリア王国がフルショア公国を攻めるという意味になってしまいますわ」
「それじゃあ俺を王家の友人から除名してくれないか?」
「それはできませんわ。王家としては一度友人として認めた者を友人から外すと言うのは、その者が犯罪者となったような場合以外にありえないのですわ」
「勝手にフルショアに行ってしまえば犯罪者になるのではないか?」
「どうしても行くと言うのですか?
私は王から貴方がフルショアに行ってしまわないように引き留めろと厳命を受けているのですわ」
「エリーゼの気持ちはありがたいと思っているよ。
エリーゼはとても素敵なレディーだ。
王女様からアプローチを受けて嫌がる男など誰もいないだろう」
「ピーターありがとうございます」
「でも俺はマリーを一人でフルショアに帰すことなどできない。
彼女は前世から俺の事を愛し続けてくれた。
彼女を救うために、俺は一度死んでいる。
この世界に転生してきて、こうして彼女とまた会ったのは運命だ。
だからこの世界でも彼女を助けなければならない。
フルショアで彼女を助けた後は、リガリアに帰ってくるから。
それでもダメかな?」
「貴方をリガリア王家の友人から外すことは絶対にできませんわ。でももう一つ方法がありますわ」
「それはどんな方法だ」
「貴方がマリーさんと結婚すれば良いのですわ。
もちろん私との婚約は破棄させません。
つまりは私とマリーさんの両方を妻とすれば良いのですわ。
そうすればマリーさんもリガリア王家の友人になりますわ。
貴方とマリーさんが結婚して、フルショア公国の危機に立ち向かうというのであれば、貴方たち二人を王家の友人としてリガリア王国が支援をするのに何も問題はでないはずですわ」
「わかった。エリーゼありがとう」
エリーゼは両目に涙をいっぱいに溜めながら、なんとか最後まで言い切った。
「マリー、かなり順番が逆になってしまったが、聞いてくれ」
「はい」と真剣な表情にかわるマリー
「マリー、君の事を愛している。
絶対に君を失いたくない。
苦しい時も、悲しい時も手を携えて生きていきたい。
俺と結婚してくれ」
「わかりましたピーター。私はあなたと出会えたことを誇りに思います。
一生あなたと共に生きていきます」
俺はマリーに誓いの口づけをした。
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