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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第3章 二人の転生者
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第27話フルショアの危機-マリー視点

 フルショアに無線機が届いた日、私はお兄様と無線機で話をする事ができました。

 ハンナとエレーヌ、ピーターとエリーゼが同席してくれました。


「マリー、よく聞いてくれ、先日お父様がお亡くなりになった」


 無線機からアダムお兄様の声が聞こえてきた。


「お兄様、お父様は安らかに逝かれたのですか?」


「ああ、眠るように息を引き取られた。

 ここ一週間は全く意識が回復しないままだったが、それまではよくマリーは元気だろうか?

 寂しい思いをしてはいないだろうか?

 とお前の事ばかり心配していた」


「お父様は私の事ばかり心配されていたのですね。

 本当に親不孝な娘で申し訳ありません」


「いや、お前の事を心配しているのは、お父様だけではなく、私や母もいつも心配しているのだよ」


「お兄様、お母様、マリーはリガリア王国でとても幸せに暮らしています。

 困っているようなことは全くありませんから、心配しないでください」


「それを聞いて安心したよ。

 この無線機というものは本当に素晴らしいな。

 フルショアとリガリアという遠く離れた地にいて、お前とこのように会話ができるなんて」


「この無線機は私の友人のピーターが、リガリア王国の人たちと協力して作り上げたものなのですよ。

 私も微力ですが、お手伝いをさせていただきました」


「おー。マリーも発明家の仲間入りをしているのか。それは愉快だ」


「お兄様、お父様がなくなって、フルショア公国は大丈夫なのですか?」


「ああ、それはやはり困った事になっている。

 ダニエルの奴が、自分が次の大公であると宣言をしてしまったのだ

 それをダミアン・ビチックが後ろ盾になり、国中のほとんどの貴族があちら側についてしまった」


「ダミアンってハンナの兄ですよね」


「ああそうだ。まあ向こうはハンナの事を妹とは思っていないだろうがな。

 ビチック家はフルショアで一番力のある貴族だ。先代のマテウスは死んだとはいえ、まだまだその力は衰えていない。

 いやむしろダミアンの代になって、あくどさに磨きがかかっているくらいだ」


「お兄様は大丈夫なのですか?」


「今のところはな。

 ただ向こうもいつまでも待っていてはくれないだろう。

 俺を支援してくれるノヴァック家を頼って、プハラに落ち延びるしかないだろう」


「私もすぐにお兄様の元に戻ります」


「いや、それは絶対にダメだ。

 マリーはフルショアに戻ることは許さん。

 もしもお父様が生きていたとしても、きっと同じ事を言うだろう」


「いやです。お兄様。マリーはお兄様のお役に立ちたいのです」


「お前がリガリアにいて、リガリアで幸せに暮らしていけることこそが、私の願いだ。

 お前がフルショアに帰ってきて、できることなど何もない」


「私からダニエルお兄様を説得して、アダムお兄様と仲直りをしてもらえるようお願いします」


「いや、もうそのような時期はすでに過ぎ去ってしまったのだ。

 今や、ダニエルがどうのという状態ではない。

 もうダニエルは担がれているだけの神輿なのだ。

 本当の実権はダニエルを支援すると言ったダミアン・ビチックのものになっているのだ」


 ハンナが拳を固く握りしめて、

「あの時、父と弟と一緒にダミアンの命を奪ってさえいれば・・・・」


「とにかくマリーは絶対に帰ってきてはいけない。

 例え私が死ぬことになってもだ。

 この言葉は私の遺言として聞いてくれ。

 マリーはリガリア王国で誰かと結婚し、リガリア王国の民として暮らせ。

 絶対にフルショア公国の地に来てはならない。

 わかったな」


「わかりません。マリーはそんな言葉わかりたくありません」


「マリー、私はこれから側近と王宮を脱出し、ノヴァック領に向かう。

 なんとか再起を図ってみるよ。

 遠い地でお前の幸せを心より祈っている。ではさらばだ」


 その言葉を最後に通信は切られてしまいました。


 お兄様は無理をしているのだ。

 私はなんとしてもお兄様を助けなければならない。

 でも今の私一人の力では、お兄様の言う通り、何もできはしないだろう。


 先生は無線機開発プロジェクトの時に言っていました。

 自分一人の力は小さい。でも自分の応援をしてくれる人が力を貸してくれれば、大きな力になる。その大きな力こそが何かを成し遂げると。


 私もリガリア王国で、私に力を貸してくれる人の力を借りよう。

 きっと先生は私を助けてくれるはずだ。そしてハンナもいる。

 私は一人ではないのだ。


 そう決心を決めて、後ろを振り返った時、すでにピーターが私の決心を応援するように微笑んでくれていました。

読んでいただきありがとうございました。


これからは毎日7時に更新をしていくつもりです。


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