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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第3章 二人の転生者
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第22話 クーリエ領での冬のバカンス1

 冬休みがやってきた。

 俺の冬休みの予定と言えばクーリエ領での蒸留酒作りだ。


 いつものように飛空挺1号機を貸し切って、クーリエ領に戻る。

 卒業して王宮で王太子としての務めを果たしているエギル王太子とペットの水色スライムのエルザ、ブレンダー職人のエドガーは当然今回の帰省にも休暇をとっての同行だ。

 それと今回はエギル王子の妹のルイーゼも兄にくっついてきていた。

 ルイーゼは14歳で俺よりも一つ年下だ。

 年よりも成長が遅れているが、流石は王族の血を引くだけあって、超絶美少女だ。

 ツンデレロリっ子少女だね。


 今回はいつもの御一行に加えてマリーとハンナ。さらには俺とは婚約解消したはずのエレーヌまでもが一緒にいく事になった。


 エレーヌはまだマリーの事を狙っているのか?

 えっ違うって。いつのまにかエレーヌとハンナが良い雰囲気になっていた。

 ハンナってマリー一筋だと思っていたが、エレーヌに落とされたのか?


 マリーは本当に飛空挺での旅が大好きな様で、飛行中ははしゃぎっぱなしだった。


 なぜかマフラーをオシャレに巻いて、みんなに安全装置の説明をしたり、シートベルトの付け方の説明をする振りをしていた。


 ああ、キャビンアテンダントになりたかったのね。


「マリーのキャビンアテンダントで空の旅かあ。まるでファーストクラスの旅だね」

 って言ったら、もの凄く喜んでくれて、ワインまで注いでくれた。


「もう少しスカートは短い方が」

 とはハンナの視線が怖くて言えない。

 そんな事を言えば、間違いなく剣が俺の顔の前に突き付けられるだろう。


 マリーのキャビンサービスはエギル王太子御一行にも大好評だった。

 もちろん一番喜んでいたのは、酒好きスライムのエルザだったんだけどね。


 クーリエ領では王太子御一行の冬休みバカンスはすっかり毎年の恒例行事になってきているので、あまり驚かれなかった。


 ただ婚約解消したはずのエレーヌが一緒なのはやはりビックリされた。

 別れても、好きな人って?


 違うよ。俺が好きな娘はマリーだよって、心の中でだけささやいておいた。


 ちなみに俺は今回の帰省に合わせて、蒸留酒作りのための蒸留装置をエリックの工房に発注しておいた。


 ブランデーに使用する蒸留器はシャラント式の単式蒸留器だ。

 上部が玉ねぎの様に膨らんでいて、下から直火で温めて蒸留する。


 単式蒸留器はあまりアルコール度数があがらないタイプなのだが、アルコール以外の複雑な成分も一緒に蒸留成分に含まれるので、原料のもつ香りや、味わいが蒸留酒にも引き継がれるのだ。


 蒸留に使うための火力や、蒸留温度の見極めなど、なかなか扱いにくいものなので、工房の職人にもクーリエ領に来てもらって、蒸留職人と色々と調整をしてもらった。


 この蒸留器で2回蒸留してもらうようにした。


 これで俺とハイジは冬休みのクーリエ領での強制労働から解放されることになった。


 おかげで今回の帰省ではマリーと一緒に過ごす時間を楽しめた。


 マリーは王都で孤児院に行ったように、子供と関わることが大好きだ。

 クーリエ領でも日曜教室の先生役をしていたり、母親が働いていて、世話をする親のいない子供たちを集めて遊んであげる保母さんのような仕事を好んでやっていた。


 マリーはなんだかんだで、どこに行っても、誰と会っても直ぐに馴染んで、人気者になってしまう。


 あれだけの美貌と、あの気品なのに、なんか雰囲気が柔らかいんだよなあ。うちの親父どころか、お袋まで、すっかりマリーのファンになってしまった。


「ピーターが次に婚約するんだったら、あの娘が良いねえ」

 だって、俺もにやけてしまった。


 そういえばトーマスの婚約者がクーリエ領にきていた。ノイヤー伯爵家のご令嬢との事だった。


 俺の婚約解消が影響していないか気になっていたが、ノイヤー伯爵家としては頼子の中の成長株であるクーリエ家との結びつき強化は重要だったそうだ。

 また例のクーリエーヌ贈り物事件の際に、ノイヤー伯爵家をきちんと立てる調整をしてくれたトーマスの事を当主が気に入ってくれたのがきっかけになったそうだ。


 俺としてはトーマスに幸せになって欲しいと思っていたが、婚約者はまずまずの美人で、気立ても良い感じだった。


 お相手はトーマスより2つ年上で、すでにアカデミーを卒業していた。

 トーマスはアカデミーで面識があったそうだが、伯爵令嬢なんて所詮は高嶺の花と思っていたそうで、まさか自分の婚約者になるとは思ってもみなかったって言っていた。


「これまではピーターには振り回される事が多かったけど、今では本当に感謝してる」

 って。


 なんかトーマスがデレデレだ。トーマスと婚約者がとても良い雰囲気だったので、俺は安心した。


読んでいただきありがとうございました。


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