第20話 無線機
本日2話目でーす
すでに電話機は一度作った事がある。
ただそれは電話機の発明家でもあるベルが助手を呼び出した時みたいに、せいぜい部屋と部屋を有線で結んで声を届かせる程度のものだった。
無線機では送信側では声を電気信号にして、電波に変調信号として載せた上で、電力増幅して、アンテナから空中に輻射する必要がある。
逆に受信側ではアンテナでそれを受け取り、声を復調して、音として出力する事が必要だった。
また双方向でそれをやり取りする仕組みが必要である。
すでに増幅機に必要となる素材としては、この前に開発したシリコンの半導体を、p-n-p接続にしてトランジスタを作れば可能だ。
まずは電波の波長と変復調方式を考えなければならない。
フルショアとリガリアの距離は飛空挺で5日かかる距離なので、多分1000km以上はあるだろう。
この世界における星の直径はわからないが、地球では400km以上離れてしまうと、地球の表面がまあるいせいで、直接的には見通せなくなってしまう。
この世界に電離層や、対流圏層反射があるかどうかわからないが、とりあえず地球と同じだと仮定して、HF帯という短波帯を使ってみようと思う。
ちなみにみんなは光と電波の違いって知っているだろうか?
実は光と電波は波長が違うだけで、同じものなんだ。
光も電波も1秒間に3億メートル進む。その間に何回波があるかで周波数が決まる。
1秒間に3億回の波があれば、300MHzという周波数になり、波長は1メートルだ。
この周波数はちょうどテレビ放送に使われている周波数で、UHF帯という極超短波だ。
テレビ局が各都道府県にあるのは、テレビに使われている電波は直進するだけなので、遠くになると地球の曲面のせいで届かないためなのだ。
HF帯というのはテレビの周波数の100倍くらい低い周波数帯で、電離層で反射をして、世界中に電波を届けることができる周波数なのだ。
ただ電波は周波数が高いほど、多くの情報を載せることができる。だから現世でみんなが使っている携帯電話などでは、GHz帯というUHFよりも高い周波数が使われているのだ。
今回は音声を電波に載せるだけなので、周波数が低くてもかまわない。また音声を電波に載せるための変調方法は一番簡単な振幅変調を使うことにした。ラジオでAMラジオ用として使われているのがこの振幅変調だ。ちなみにFMラジオは周波数変調という方法で、こちらの方が音質はちょっと良くなるのだ。
現時点ではセキュリティは全く考えていないので、会話の内容はだだ漏れになってしまうが、とりあえず贅沢は言ってられない。
まずは試作品を作って、1台を飛空挺に積み込んでもらい、色々な距離で通話実験を試みた。
うーん、うまくいかないなあ。
俺は難しければ難しいほど燃えるタイプだ。
マリーのためには何としても完成をしたい。
実験を繰り返す他にはない。
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