第16話 飛空挺2号機
アカデミー所有のダンジョンの20階層。ヘルファイヤーの討伐巡回を俺とマリーとハイジで頑張った。
一応他のメンバーもいるのだが、ヘルファイヤーにはあまり効果的な技がないので、俺たちにお任せ状態だ。
ヘルファイヤーを大量に狩っている目的はヘリウムガスの採取だ。
俺が圧縮、膨張魔法で空気の流れを乱し、ヘルファイヤーを弱らせておいてから、マリーがガスと炎を分離させ、ハイジがガスだけを吸収する。
ハイジの中に入ったガスをマリーが水素とヘリウムに分離し、ヘリウムだけを俺が圧縮して、気嚢に格納するのを、ひたすら繰り返した。
またこの機会にモーターとプロペラについても、ベクトル教授と改良に取り組んだ。
ベクトル教授は俺の説明を巧みに理解して、色々なアイディアを加えてくれた。
エリックが銅線の細さと、外皮の強度を向上させてくれていたので、コイルの性能向上ができた。これをモーターに使えるので、これまでよりもう少し大きなプロペラを作ってみた。
さらにマリーの分離魔法のおかげで、素材としてアルミニウム合金が利用できるようになった。
このおかげで、様々な部品が軽量化する事ができた。
永久磁石作りには久しぶりにジョゼフが手伝いにきてくれて、特大の雷をプレゼントしてくれた。
ヘリウムガスがあるので、今回は液体ヘリウムを使って、銅線を極低温に冷やしておいて、永久磁石作りをしてみた。
極低温にする事で、金属の抵抗が下がるので、より大きな電流を流すことができるのだ。
いわゆる超電導の技術である。
こうしてより強力な永久磁石ができた。
ヘリウムガスや、各種部品をかなり確保できたので、新しい飛空挺の骨組みの設計と組み立てを王家に頼んだ。
1号機よりもかなり大きめにお願いしておいた。
こうして製作された飛空挺の2号機は1号機の倍の人数を、倍の速さで輸送できるものになったのである。
ガスを水素からヘリウムに変えた事で、安全性やメンテナンス性も大幅に向上した。
製作のための材料費と飛空挺の運行は王家に任せたが、製造を協力した者には、王家から飛行料金の数%を印税として継続的に支払ってもらえるようにお願いした。
余裕ができたら少しずつ飛空艇を作っていきたい。
これからは他国に技術を盗まれたり、軍事利用されるたりすることは防ぐように努力をしなければならないだろう。
どんな優れたものでも、可能な限り、人を不幸にしないようにする配慮は忘れないようにしなくては。
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