第14話 先生と真里亞
本日2話目の投稿でーす。
3人部屋になった、エレーヌとマリーとハンナ。
早速女性同性愛嗜好を名実共に解禁したエレーヌはダンスでマリウスと踊ったことのあるマリーにアタックを始めた。
このアタックをことごとく阻止したのがハンナである。
ハンナは男子を含めてもアカデミー最強と言われるレベルの戦士である。
エレーヌの様々な企みを打ち破って、マリーを守り抜いている。
そんな中、マリーは今日も俺の元へやってきた。
俺は一人部屋になっているので、遊びにきやすいみたいだ。
今日はクッキーを焼いたと言ってやってきた。
前にシャンプーの時に作った重曹をクッキーに使っているそうで、サクサクとした食感が気持ち良い。
この世界ではまだ食べた事がないレベルだ。
お茶もカモミールを使ったハーブティを入れてくれている。
かなり気持ちが落ち着く香りだ。
俺の一人部屋を狙って、他の女性たちがアプローチをかけてくることが良くあったので、部屋の扉の外には外部の警戒にハンナが立ちんぼでガードをしている。
部屋の中で俺とマリーは二人っきりであるが、マリーにおかしなことをすれば、扉の外からでもハンナの剣は飛んでくるだろう。だから変なことはできない。
「先生、もっとクッキーを召し上がってくださいませ」
「マリー、その先生って呼び名は辞めないか」
「えー、やっと先生に会えたのに。
私は生まれ変わってから、ずっと先生に会いたいって思っていたのに」
「あれ、けっこう昔の事は覚えていないって言ってなかったっけ?」
「あれは嘘です。私は前世からずっと先生一筋だったんですよ」
「真里亞の時からかい?」
「気づいていただけてなかったですか?」
「ごめん、俺ってば基本化学の実験さえしていれば、それで良いって奴だったから」
「まあ私は前世ではとっても醜い女子だったんで、先生に覚えてもらえなくてもしょうがないですけど」
「いや真里亞の事はけっこう覚えているよ。俺の授業で実験を一生懸命やっていたよね」
「あ、気づいていてくれていたんですか。嬉しいです」
マリーはそう言って、俺に抱きついてきた。
「マリーって、真里亞の時とは違って、凄く積極的になったよなあ」
「はい。前世での事は後悔しています。
せっかく先生が私を綺麗な容姿にして生まれ変わらせてくれたんですもの。
こっちでは積極的に、前向きに、一生懸命生きるんだって、全力出すように頑張ってきました」
「そうか、それなら俺も嬉しいよ」
「先生に会えたら、絶対に先生のためになるんだ。
先生の役に立てるようになるんだって思って、色んな事にチャレンジしてきたんですよ」
「なんで俺のためにってそんなに」
「もう相変わらず鈍チンですねー。先生の事が好きだからですよ」
「いやいや、俺のどこが良いんだよ」
「先生は私の事を命がけで受け止めてくれたんでしょ。
転生のボーナスも自分で使わずに、私のために使ったって聞いてます」
「あの神様、真里亞にそれを教えちゃったのかあ」
「それに私は知っていますよ。先生が発明しているものって、必ず誰かを幸せにしたいって思っているものばかりだって」
「うん、それはその通りだね。
俺たち転生者はこの世界にはない知識や技術を持っている。
でもそれを生かすのも、殺すのも俺たち次第だ。
だったら、俺はなるべくたくさんの人の幸せのために役立てたい」
「私の力も、先生のために役立てさせて下さい。
お願いします」
「わかったよ、真里亞。
そのかわり、二人っきりじゃないときは、ちゃんとピーターって呼んでくれよ」
「わかりました。でも二人っきりの時は先生と真里亞でお願いしますね」
「わかったよ。白井」
「えー、今さら苗字は辞めてくださいよ。
でもちょっと懐かしかったかも。えへへ」
「さてそんじゃあダンジョンや、実験室でマリーの事をこき使ってやるからな」
「ええピーター、望むところですわ」
俺たちは改めて握手をした。
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