第13話 決意-マリー視点
昨日は4話をゲリラ投稿してみましたが、本日も複数話ゲリラ投稿しまーす
「ピーターは飛田先生ですか?」
私はピーターが飛田先生だと確信をして、その質問をぶつけました。
そして予想通りピーターの答えはyesでした。
胸はかつてないほど高まり、呼吸が苦しくなり、すべての身体の力が解放されるような気持になりました。
内乱の危機で緊迫したフルショア公国から逃げるようにして旅立ったこと。
お父様のご病状や故国の状況を知ることができない不安。
リガリア王国で女であることがばれない様にする不安。
ピーターに対して前世がアメリカ人男性と嘘を言ってしまったことに対する後悔。
ピーターと婚約をしているエレーヌに対する苛立ち。
さらにはダンスパーティーでのピーターの態度への腹立ち。
それらの全てから解放される喜びがありました。
男装の魔法によって、この数カ月男性として過ごした日々は、私にとっては本当に辛い日々でした。
特に男性用のトイレで並んでおしっこをすることは結局最後の最後までできませんでした。
ピーターと一緒の部屋にいると、もの凄くピーターの臭いが気になってしまいます。
もしかして私もあんな臭いをしているのでしょうか?
ピーターは私の臭いが気にならないのでしょうか?
そばにいるとピーターの事ばかり気になってしまうのですが、ハンナはピーターがエレーナや、ナンシーとただれた関係なので、絶対に近づいてはいけないと忠告してきます。
私は自分の心の中に芽生えていたピーターへの恋心を押さえつけなければならず、どうしたら良いか、何が何だかわからないことが積み重なっていくようでした。
でもこうして久しぶりにマリーに戻ることができました。
もう私は自分や周りに嘘をつく必要がありません。
マリウスとして過ごした間は男性用の衣装を着ていましたが、ハンナにお願いしてすぐに女性物の衣装を揃えてもらいました。
やっぱり綺麗でかわいい衣装は心を安らかにしてくれます。
下着も男性用はスカスカで不安感を感じていましたから。
そして一番気になっていたピーターとエレーヌの婚約も解消されました。
エレーヌは女性同性愛嗜好だったので、ピーターとの婚約は仮面だったそうです。
ナンシーも実家に帰ってしまったので、もう問題は残っていません。
そう思っていたのですが、婚約を解消したピーターは次々と他の女性から告白を受け始めてしまいました。
このまま私の気持ちをピーターに伝えなければ、他の女性にピーターを奪い取られてしまうかもしれません。
前世では私は醜い女子生徒で、先生は一回り以上も離れた男性教師でした。
私は前世では飛田先生に好きという言葉を伝えられませんでした。
でももうくよくよとしていられる状況ではないのです。
転生の際のボーナスとして、容姿端麗な姿を先生は私にプレゼントしてくれたのです。
フルショア公国では水晶の姫として美しさを称賛していただけていました。
これまでこの世界では自分に自信をもって、積極的に生きると決めて頑張ってきたではないですか。
今持っているすべてを自分の力に変えて、飛田先生に全力でアタックしよう。
そうすることがわたくしマリー・シマンスカのやるべきことなのです。
そう決意を新たにしたのでした。
読んでいただきありがとうございました。
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