第12話 婚約解消
本日の複数話投稿最終話でーす
色々と出てきた問題を解決するために、アカデミー上層部と関係者が集まって会議をする事になった。
まずアカデミー側としてはマリーの性別詐称については特に問題無しとの事だった。
フルショア公国から貴賓枠での留学なのだから、王子様でも王女様でも、王族には変わりないからね。
但し婚約者ではない男女に寮での同室は許されないとの事なので、俺とマリーは別部屋に別れる事になった。
このためハンナはマリーとの同部屋を希望したのだが、アカデミー側は最上級生が新入生の指導を1年間するのは必須であると、エレーヌとハンナの相部屋解消に難色を示した。
結果的にハンナとエレーヌとマリーの3人相部屋が確定した。
つまりはこれまでナンシーがいたスペースにマリーが入るということだ。
ナンシーはエレーヌの側使えを解雇になった。
俺の相手となるちょうど良い新入生がいなかったため、新しい相部屋相手が見つかるまでは、俺は一人部屋となった。
続いて俺とエレーヌの婚約解消が発表された。
俺は俺の側に問題があって、俺自身が悪者になるような理由にして欲しいとエレーヌに言ったのだが、エレーヌはどうしても自身の女性同性愛嗜好を発表する事にこだわった。
もうこれ以上は自分を偽って暮らしたくないという事だった。
公爵家のレズビアン騒動は格好のスキャンダルとなり、俺は女性に婚約者を奪われた間抜けとして、笑い者にはなったが、逆に同情されるという妙な扱いを受けた。
エレーヌはそんな嘲笑の中にあっても、堂々とした態度であった。
エレーヌはマリーが男装の魔法によって変化していたマリウスと、ダンスができた事に大いなる希望を見出していた。
男装の魔法が使える者は少ないが、皆無ではない。
公爵家の財力を使って探せばすぐに見つけ出せるだろう。
エレーヌに本当に愛し合えるパートナーが見つかった時に、男装の魔法を使えば男女として愛し合えるのである。
エレーヌはマリーのようにきっと男性に恋する事はないのだから、一度男装の魔法をかければずっと魔法が解ける事はないのだろう。
そして俺にはエレーヌと婚約解消後、突如としてモテ期が到来した。
俺のファンクラブであったPPPが、主催者エレーヌの失脚により消滅したので、俺との交際に関する全ての制約がなくなったからであった。
急に俺に対する女性たちのアプローチが殺到する事態となった。
王族に準じるポジションで、ワインや飛空挺での稼ぎもある将来有望株が、突然フリーになったのだから、モテても当然なのかな。
一応俺のこの世界での外見はそれなりに良い感じみたいだし。
女性からラブレターをもらったり、女性から直接告白されたりするのは前世も含めて初めての経験だった。
俺的には大変揺らめいたのだが、やはり真理亞との事が決着するまでは先には進めないという思いが強く、すべての女性たちにお断りをさせてもらっている。
その態度がエレーヌとの恋に破れ、傷心の中にあるピーターを癒してあげたいと、逆に女性達の心に火をつけてしまったみたいで、女性からのアプローチ合戦はより熱を帯びていくのであった。
読んでいただきありがとうございました。
これからは毎日7時に更新をしていくつもりです。
更新頑張れ!
続きも読む!
と思ってくれた方は、下の評価クリックで応援してくれるとすごく嬉しいです!
気に入ってくれたらブックマークしてくださいね。
また感想や誤字脱字など教えてくだされば、とても嬉しいです。
よろしくお願いします