第11話 告白
本日はお盆休暇でお休みの方が多いので、ゲリラ的に複数話投稿しまーす
女性に変わってしまい気を失ったマリウスをベッドに寝かせて、俺は大急ぎでハンナを呼びに行った。
ハンナは自室でエレーヌとナンシーと居たので、結局3人を連れて、俺たちの部屋に戻った。
ハンナはベッドに寝かされている真里亞を見ると、
「マリー様の男装の魔法が解けてしまったんですね」とつぶやいた。
「男装の魔法が解けたという事は、彼女は誰かに恋をしたという事ですわ」
とエレーヌが教えてくれた。
「これは一体どういう事なのですか?」
ハンナは俺に詰め寄った。
「マリウス、いやマリーか、彼女の前世での名前は白井真里亞。
彼女が通う高校で、彼女は俺の受け持ちの生徒だったんだ」
「という事は、貴方は前世では飛田先生という事ですか?」
「ハンナもそこまで知っているのか?
確かにその通り、俺の前世での名前は飛田真司だよ」
俺に掴みかからんばかりに詰め寄っていたハンナが、突然サッと腰を折り、平伏した。
「マリー様の大切なご恩人であるとはいざ知らず、これまで大変失礼をいたしました。
申し訳ございませんでした」
「えっと、ごめん、ハンナ。どういう意味?」
「それは私の口から申し上げる訳には参りません。必ずマリー様よりお話があるものと思います」
「そうね。確かにまずはマリーが目覚めるのを待ちましょう」
エレーヌがとりなしてくれた
しばらくしてマリーが目を覚ましたので、事情を聞いた。
「私の本名はマリー・シマンスカ・フルショア。
フルショア公国の第11王女です。
フルショア公国の後継者争いを避けるため、男装の魔法をかけてもらい、リガリア王国に逃げてきました。
男装の魔法は私が誰かに恋をしてしまうと解けてしまうと言われていたので、これまで私は心を抑え込んでいたのですが、ピーターが飛田先生であることを知ってしまい、心を抑えることができなくなってしまいました。
私は前世では白井真里亞という名前で、飛田先生の教え子でした。
前世では、私が飛び降り自殺をしようとして、先生を巻き込んで、殺してしまったんです。
それなのに飛田先生は私も転生できるようにしてくれたのです。
その上こんなに綺麗な姿かたちにしてくれるように、神さまに取り計らってくれたんです。
飛田先生は私にとっては大恩人で、そして最も大事な男性なんです」
「ねえ、ピーター、彼女の言ってる事は真実?」
とエレーヌ
「うん、事情はその通りだね。でも真里亞にとって、俺は大事な人?」
「はい、飛田先生に恩をお返しすることが、私の人生にとっての一番大事な事なんです」
「ねえ、ピーター、貴方にとって、彼女は何?」
「うーん、うまくは言えないけど、最も気になっている人って感じかな」
「よいですわ、わかりました。ピーター、貴方との婚約は解消しましょう」
「え、エレーヌ、何を」
「実は私ももうけっこうピーターの匂いが厳しくなってきていたのです。
今日のパーティーで貴方とダンスを踊れなかったでしょ。
貴方に近づくと痒くなってきてしまっていたのです。
この機会に私たちの婚約を解消するのが良いでしょう。
そうすれば貴方はフリーだから、彼女と新しい恋をする事もできるわ」
「俺が真里亞と恋を」
「私が飛田先生と恋を」
戸惑う俺と、潤んだ目のマリーが好対照だった。
そこにこれまで黙っていたナンシーが割り込んできた。
「それではエレーヌ様とピーターと私の間の契約が終わるという事で良いですか?
でしたらエレーヌ様の使用人のおヒマをいただき、私は実家に帰らせて下さい」
ナンシーが覚悟を決めた顔で言い放った。
読んでいただきありがとうございました。
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