第8話 ダイヤモンド
今日はベクトル教授の実験室だ。
すっかりクラスのメンバー全員に俺とマリウスが転生者だというのがバレてしまったので、かえってやりやすくなった。
今日は俺とマリウスの無属性魔法を組み合わせて、どういった事ができるのかを調べてみることにした。
用意したのは炭である。俺は圧縮魔法が使えるので、前に炭を全力で圧縮してみた事があった。
結果としてできたのは圧縮された炭だったけどね。
備長炭みたいに叩くとキーンって良い音がするんだ。まあそれだけだけど。
今回はまず炭をハイジに取り込んでもらい、次にマリウスに炭の中の炭素以外の不純物を、可能な限り取り除いてもらった。
次にマリウスには炭の分子構成が直方体で並んでいる状態になっているものを、8面体が積み重なったような形になる様にイメージして、内部変形してもらった。
マリウスの内部変形と合わせて、俺は全力で圧縮魔法をかけた。
ハイジには不純物は別部屋に格納してもらい、炭素だけを断熱して、超高温高圧を維持してもらった。
そうして炭に圧力をかけ続ける事約10分。
ハイジが体内から取り出したのは、透きとおるように輝きを放つ大きなダイヤモンド原石であった。
いやー、できるかもっとは思っていたけど、本当にできちゃうもんなんだねえ。
工業用ダイヤモンドのカケラくらいはいけるかなあと思っていたが、カットしても2カラットクラスが取れそうな天然ダイヤ品質の原石ができあがってしまった。
せっかくなので、58面体のブリリアントカットのデザイン画を描いて、ケルトンの職人街でダイヤモンドのカットをしてもらったところ、金貨100枚で売ってくれという申し込みが来るほどの出来栄えになってしまった。
まあとりあえずお金には困っていないが、いざという時には内職でコツコツとダイヤモンドを作るかなあ。
とりあえずできてしまった58面体ブリリアントカットの2カラットダイヤモンドは、先日のお詫びも兼ねて、ハンナにプレゼントした。
一応実験室では唯一の女性だもんね。ダイヤモンドなんて、男には不要だから。
あと怒らせると怖そうなんで、ご機嫌とりである。
なんかマリウスもダイヤを欲しそうにしていた。
あとエレーヌにも欲しい、欲しいと連呼されたので、結局いくつか追加で作ることになってしまった。
一度に圧縮する炭をもっと増やしてみたり、高温高圧をもっとゆっくり時間をかけて行ったり、あえて少しだけ不純物を少し入れたりする事で、より大きなダイヤモンドや、カラーダイヤモンドが作れる事を確認した。
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