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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第1章 クーリエ領の怪力次男坊
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第4話 家庭教師と勉強部屋

 俺とナンシーは3歳になった。兄のトーマスは7歳だ。今日からトーマスには家庭教師が来るようになった。


 クーリエ家は子爵家で、王都からは南東方向に徒歩で5日ほどの距離にある小さな村の領主だ。人口は領内の全員が集まっても3000人くらいしかいない。温暖な土地なので、ワインにするぶどうを作っている農家が多い。


 この世界では街に住んでいる裕福な子供達は10歳くらいから教会などがやっている学校に通う。あまり裕福ではない家の子供であれば10歳は仕事の見習いを始める年齢だ。そうして15歳になれば成人となり、完全に大人として扱われる。


 学校に通えるのは全ての子供のうち1/10くらいだ。王都のような都会に住んでいればもっと多いが、クーリエ領のような田舎にはそもそも学校がない。


 交通手段が進歩していないこの世界ではけっこう隣町まで歩いて通うような事は難しいのだ。


 貴族の子弟の場合にはその上に王立アカデミーがある。日本でいう大学のようなものだろうか。普通は15歳からアカデミーに通い、20歳で卒業する事が多いそうだが、実力が重要視されるので、過去には12歳で入学が認められ、15歳で卒業した者もいるそうだ。


 そんなわけで貴族の子弟は家庭教師を雇い、王立アカデミーの入学試験対策を行うことが多い。


 王立アカデミーの入学試験では算術と、この国の地理歴史についての学科試験が行われる。それと魔法についての実技試験も行われる。


 つまりは魔法が使えない者はアカデミーに入学できないのである。そういうわけでアカデミーのほとんどの生徒は貴族の子弟であり、王都で全寮制の学生生活を送ることになっている。


 アカデミーに入れる者はきっと全ての子供の中で1/1000もいないだろう。高等教育が当たり前になっている現代日本とは大きく違うのだ。


 トーマスの家庭教師は週に3回、算術の基本と地理歴史を教えてくれる。トーマスはあまり熱心な生徒ではなかった。家庭教師の説明をうとうとしながら聞いている。


 そんなトーマスの隣で俺は一緒に家庭教師の話を聞いていた。


 トーマスの勉強がスタートした当初、3歳児の俺は勉強部屋からすぐに追い出された。しかしちゃんと大人しく座って勉強の邪魔にならなかった事、俺がトーマスの隣で大人しくしていると、トーマスが俺に良いところを見せようと、うとうとせずに頑張って勉強することがわかって、同席が認められたのだ。


 学習内容は算術の基本については今更勉強をする必要がないものだった。俺にとっては小学生レベルの算数ってところだった。


 地理歴史の方は大変興味深いものだった。これまでケイトが読み聞かせをしてくれていたおかげで、わずかに知っている事もあったが、初めて聞く事が多かった。


 まだ文字をきちんと読むことができなかったのだが、家庭教師のおかげで少しは読むことに加えて、文字を書く事も出来るようになった。


 トーマスも俺に負けるのは嫌なので、けっこう無理をしながらも頑張って勉強に励んだ。


 おかげでこれまでは一緒に過ごす事が多かったナンシーはちょっとつまらなそうにしていた。しかしナンシーには新しく弟のルーシーができたので、ルーシーを俺の代わりにおままごとの相手に指名したようだった。


 そうまたケイトの爆乳が炸裂しているのだ。しかしそのおっぱいは3歳になってしまった俺にはもう手の届かないものなんだよねえ。

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