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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第2章 王立アカデミーでの活躍
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第23話 婚約とポムドール領

 俺はエレーヌと婚約した。

 エレーヌの男性恐怖症はポムドール家内ではよく知られているので、俺は共犯者としてポムドール公爵家に迎えられた。


 特にエレーヌの父のポムドール公爵には涙を流して喜んでいただいた。

 これからは父として慕って欲しいとまで言ってくれた。


 明るく優しい家だった。

 エレーヌは家族みんなから愛されているんだなあと思った。

 貴族に対する偏見ってのは、貧乏人の僻みみたいなのがあるのかも知れない。


 本当に大貴族中の大貴族には、他人を妬ましいと思うような気持ちすら持つ機会がないのかも知れないと思った。


 夏休みを利用してポムドール公爵領にも遊びに行った。

 大貴族領のポムドール公爵領は王都から北東に馬車で1日の距離だったので、公爵家の馬車で往復した。


 ポムドール公爵領にもぶどうが栽培されており、ワインが生産されていたので、俺もちょっとだけ指導的コメントをしておいた。


 ポムドール領のワインはクーリエよりも甘めの白ワインが中心だった。

 一部のぶどうは冬まで実を摘まずに残しておき、実が凍結してしまってから収穫してワインにする方法を教えてあげた。


 ぶどうの実が凍結で水分が凍ってしまう事で、さらに糖度が上がるのだ。

 いわゆるアイスワインというものだ。

 現代ではデザートワインとして人気がある作り方だ。

 けっこう喜ばれたみたいだ。


 美味しい物が増えるのは人生を楽しむためには重要な事だからね。


 数年後、社交界ではポムドール領のアイスワインはクーリエーヌと人気を二分する存在になった。


 婚約の報告でクーリエ領にも行った。

 エレーヌは冬休みもずっとクーリエ領に居たので、クーリエ領では顔なじみだ。

 前回の冬休みは飛空挺での往復だったが、今回は馬車でゆったりと旅をした。


 側使えとしてナンシーも一緒に帰省した。

 俺とエレーヌの婚約は仮面婚約であることは、俺の家族とケイトにだけは伝えた。


 もしかすると非難されるかなと思っていたが、みんなは俺の無軌道ぶりにエレーヌという鈴がついて安心したみたいで、普通に祝福されてビックリした。


 家族は俺の婚約のせいで、トーマスにも伯爵家などの格上からの縁談が舞い込んでいて、その対応が大変みたいだった。


 まあクーリエ領は豊かになったから、トーマスのお嫁さんはお金に苦労しなくても済みそうだしね。


 ケイトはナンシーの決意を知っていたのか、ナンシーを応援していた。

 今になって知ったのだが、実はナンシーの3つ下の弟のルーシーは俺の弟なんだそうだ。


 つまりは親父のゴードンがケイトを拐かしていたのだ。

 まあケイトの夫もその事には目をつぶって、自分の子として育てているので、今更誰も詮索したりしてはいけないみたいだ。


 そんなわけで、しっかりと避妊についてはするように言われたのだった。

 特に本妻との間に男の子ができるまでに愛人に子供を作るのは、あとあと問題になる事が多いのだそうだ。


いやいや俺はまだ童貞だから、子作りの話をされてもね。


 王家にエレーヌとの婚約を伝えた際には、王からエギル王子の妹を俺の嫁にするつもりだったのに、公爵家に先に取られるとはと悔しがられてビックリした。


 エギル王子の妹って、王女様だよねー。

 エレーヌとだって、いわゆる仮面夫婦契約って言う特殊形態だから、受け入れているのに、王女様との結婚なんて、とてもじゃないが考えられないよ。


 そういえば王宮では久しぶりにエギル王太子と喋ることができた。

 卒業式までは毎日寮や、ダンジョンで顔を会わせていたので、久しぶりに会うっていうのは不思議な感覚だった。


 久しぶりに会ったエギル王太子は疲れていた。

 政務が面倒だとか、アカデミーは良かったなあとか、結婚式の準備が大変だとか、すっかり愚痴っぽくなっていた。


 そういえばエレーヌの姉と結婚するんだったっけ。

 エレーヌと俺が結婚するとエギルは俺にとっても義理の兄になるのか。


 ちょっと早いけど、エギル義兄さんと呼んでみた。


「いやー、ピーターはきっと妹の婿になるだろうと思っていたから、まあにいさんと呼ばれるのは予定通りなんだけどね」


 と、あっさり流されてしまった。


 俺にはそんな予定はなかったんだけど、色々と俺の知らないところで妙な話が進んでいたのだった。


挿絵(By みてみん) 

読んでいただきありがとうございました。


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