第16話 永久磁石を作ろう
探していた磁石が見つかった。正確には磁鉄鉱という名で、落雷によって大きな電流が鉄鉱石に流れた事で自然に磁石として出来上がったものだった。
この自然磁石に再度電力ショックを与えて、強力な永久磁石にするんだ。
素晴らしい事にエデル王太子の侍従のジョゼフは雷属性魔法の使い手であった。
「ジョゼフ、ちょっと頼み事があるんだが、構わないか?」
「なんだいピーター」
「ジョゼフって魔法属性が雷だったよなあ。ちょっと力を貸して欲しいんだ」
「お安い御用だよ。国王陛下からもピーターに協力するように頼まれているしな」
「ありがとう。助かるよ」
「良いってことよ。まあ国王陛下に頼まれなくたって、俺はお前の頼みを聞くけどな。俺は強い奴が好きなんだ」
「ジョゼフは何を言ってるんだい。俺なんて、全然戦闘経験なんてないよ」
「お前の圧縮魔法は凄いよ。星見の水晶を叩き割ったって聞いてるぜ。あんなもんを叩き割るなんて、俺の雷撃でも全く無傷なんだから」
「あ、そうだ。ジョゼフの雷の威力ってどんくらいなんだっけ?」
「まあ星見の水晶を割るのは無理だったな。実戦ではとりあえず兵士100人を感電で動けなくした事はあるぞ。それから大木を一本くらいだったら、黒焦げにした事はあるな」
「おー、それは助かるよ」
まずは準備として購入した磁鉄鉱を正確に南北に並べる。
地球と同じでこの世界にも星が持つ磁力線が存在するようだ。
事前に方位磁石を使って正確に南北を把握しておいた。
そうしておいて俺の圧力魔法により、磁鉄鉱を高温高圧で成形をしていく。
圧力が十分に高まったタイミングでジョゼフに最大魔力で雷を発生させてもらった。
「ジョゼフ、頼むよ。特大の雷撃を打ってくれ!」
「任せろ。雷神サンダーに雷の子ジョセフが願う。来たれサンダーボルト」
特大の雷が磁鉄鉱を撃ち抜いた。余分な電流は裸銅線を使って、接地しておいた大地に流した。
出来上がった永久磁石に鉄の剣を近づけたところ、かなり離れたところから、強く引き寄せる事が確認できた。
一回のチャレンジでいきなり永久磁石の磁力強度が数倍にはね上がった。
「ありがとう、ジョゼフ助かったよ」
これで発電機やモーターを作ることができるぞ。
そういえばジョゼフって、雷魔法を使う時、詠唱をするんだなあ。
俺は心の中で圧縮とか、膨張とか、イメージするだけだったけど、俺もちょっとカッコいい詠唱を考えてみようかなあ。
ちょっと厨二病が刺激された俺だった。
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