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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第1章 クーリエ領の怪力次男坊
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第2話 最初の言葉

 ナンシー、トーマス、ケイトと子供部屋で過ごしているうちに1歳になった。


 ナンシーは流石に少しだけ早く生まれていることもあり、

「ナンチー、ケート、ピター」

 と名前を呼ぶことができる。


 最近のトーマスは一生懸命毎日のように「トーマス」「トーマス」と連呼をして、自分の名前を呼んでもらおうとしている。でもまだナンシーは「トー」としか言えない


 実を言うと俺もナンシーより早くからしゃべることができたのだ。しかし赤ん坊があまりにも早くから喋るのも気味悪がられると思ったので、ずっと我慢をしていた。


 さて最初の第一声は何にしようか? 母であるメアリーは子育てをケイトに任せっきりにしていて、あまり俺とは接点がないので、第一声としては不自然だ。


 父親のクーリエの旦那など、そもそもファーストネームを知らないくらいしか接していない。きっと仕事が忙しいのだろう。


 まあ候補としてはやっぱりケイトだろうな。あの巨乳にはお世話になったし、おっぱいが出なくなった最近でも抱っこの際にはその重量感を触って堪能している。


 しかしトーマスはなんとしても自分の名前を呼んで欲しいらしい。耳元で毎日毎日嫌という程「トーマス」と言ってくる。


 今日のお昼寝タイムにも「トーマス・トーマス」って小声で何度も言ってきたので、つい寝ぼけているのもあって、「トーマスやかましい!」と怒鳴り付けてしまった。


 しまった。と思ったが、口を出てしまった言葉は取り戻せない。トーマスは俺の言葉を聞いてビックリした顔をした後、一目散に子供部屋を出て行った。


 バタバタと複数の足音がして、母親のメアリーと父親のクーリエ旦那がトーマスに引き連れられて部屋に入ってきた。


「ピーターがトーマスって言ったんだよ」

「絶対に最初に俺の名前を呼ばせるんだって、ずっと何度も耳元でトーマス、トーマスって言って聞かせていたからね」

 トーマスは父母に満面の笑顔で自慢する


「本当にピーターが喋ったのかい? ケイトからはまだ全然しゃべる気配がないって言っていたんで、油断していたなあ」と父


「ピーターはトーマスお兄ちゃんと仲良しだものね。本当にトーマス頑張って良かったわね。うふふ」と母


「だってピーターは俺の大事な大事な弟なんだから、これまでも、そしてこれからも絶対絶対大切に俺が守ってやるんだからね」 大きく胸を張るトーマス


「じゃあピーターの次は俺の名前を呼んでもらわないとな。ゴードン、ゴードン、お父さんはゴードンだよ」


 おー、俺の父親の名前ってゴードンって言うのかよ。トーマスといい、ゴードンといい、どっかの機関車のようだなと思って、パチクリした顔で見ていた。


 まああんなに喜んでくれるんだったら、やっぱり初めての言葉はトーマスで良かったかなと俺は思った。


「でもうるさいって言葉はいつ覚えたんだろうな?」トーマスはこっそりつぶやいた


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