第12話 ヘンリー・ベクトル教授の実験室2
第2週もやはり一番多くの時間を費やしているのはベクトル教授の実験室だ。
今週は他のメンバー達の発表がひと段落したので、ベクトル教授と直接対話することができた。
「ピーター、君はどういったものを作りたいと思っているのかな?」
「教授は電力というものをご存知ですか?」
「魔力の一部ではないのかね」
「たしかに雷属性の魔力は電気ですね。そもそも雷ってのは、電位の差で発生するものですから」
「つまりピーターは魔力ではなく、純粋に電力というものがあるというのじゃな?」
「はい、教授。その通りです。電力は魔力を持たない平民でも、使いこなす事が出来るのです」
「それでピーター、電力を使って何をしたいのじゃ?」
「はい、まずは電気を生み出す発電機を作りたいですね。次はその電力で動く様々なものを順番に作っていけたらと思います。そうですね!まずは電球とか、冷蔵庫は早めに欲しいですね」
「その電球とか、冷蔵庫は何をするものじゃ?」
「電球は夜でも昼のように明るくなるもので、冷蔵庫は夏でも冷たい氷を作って、食べ物を冷やす事が出来るものですね」
「なんとピーターはそのような事を考えているのか? 光の魔法や、氷魔法でも可能じゃが、それを魔力のない者でも使えるというのは確かに魅力じゃのう」
「俺はこの世界の多くの人に、俺の発明で幸せになって欲しいと思っているんです。貴族だけでなく、平民もみんな」
「うむ、素晴らしい心構えじゃ、わしも出来る限りの協力をしよう。まずは光魔法の魔石を使ったランプの構造についてじゃが、」
ベクトル教授は自身が作られたランプの魔術具と製氷器の魔術具について、構造や開発の際の苦労話などを細かく説明してくれた。
魔石は俺の推察通りバッテリーのようなものだった。魔力エネルギーに属性魔法を付加する部分が難しいんだな。
ベクトル教授の協力が得られて、俺の幸せを生み出す発明家への道の第一歩がスタートしたのであった。
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