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ダブル異世界転生 現代科学で人を幸せにしたい  作者: とと
第2章 王立アカデミーでの活躍
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第4話 アカデミーの学生寮

本日は日曜日で7時19時の2回更新します

 俺に割り当てられた学生寮の部屋は5階の一番奥の部屋だった。

 部屋の相棒となる次の卒業式で卒業生代表となる成績優秀者の名前はエギル・ブルボン・リガリア。

 リガリアの名を持つことからもわかるように王族である。それもなんと王太子殿下だ。


 一応アカデミーの中では身分は不問というルールがあるのだが、そんなもの建前だってことは誰でもよく知っている。


 ただ俺にとっては本当にどうでも良いと思っていた。実際のところ王太子の名前がエギルだっていうのも、今日の入学式での王族の挨拶まで知らなかったくらいだ。


 そもそも12歳の俺がアカデミーに飛び級で入学することになったのも、王族からの督促状のせいなので、向こうからすれば手ぐすね引いて俺のことを待っていたのかも知れない。


 まあ所詮は貧乏子爵家の次男坊なんだから、そんなことは意識過剰だろうと思いなおして自分の部屋に入った。


「こんにちは」


 部屋にはすでにエギル王子が俺のことを待っていた。


「おー、ピーター、待っていたぞ」


「え、俺の事を王子様が待っていたのですか?」


「おいおい、アカデミーの中では王子などという身分は関係ない。俺のことはエギルと呼び捨てにしろ」


 おいおい、いきなり呼び捨て指定かよう。ナイワー。まあフレンドリーな王子様だこと。


「それではエギル先輩。よろしくお願いいたします」


「わかった。それではまず授業のエントリーでどのような単位をとるのかについてレクチャーをしよう。

 ピーターは将来どのような仕事をしたいと考えているのだ?」


「俺は貧乏子爵の次男坊なんで、継ぐべき領地も、仕事もありません。大好きな科学の発展を通じて、世の中のためになりたいと思っているので、まずは科学技術系の科目を納め、発明家になりたいと思っています」


「発明家とな。それはヘンリー・ベクトル教授みたいな感じかな」


 ヘンリー・ベクトル教授はアカデミーで一番の有名人だ。リガリア王国軍の武器や装備の開発において、様々な発明品を提供している。その中でも特に有名なのは飛空艇だ。


「ベクトル教授の授業は単位をとるのが非常に難しいが、優秀な学生には20単位をくれる。

 高い壁にチャレンジをしてみるのも大事な事だな。ただベクレル教授の授業をとると他の予定が組みにくいのだ。

 教授の都合でころころと予定が変わるからな。まあそれ以外は必須科目と、単発の季節科目を組み合わせて取っていけば40単位に届くだろう。

 ただベクレル教授からの単位をとれなければ、一気に20単位になってしまうがな」


「ありがとうございます。エギル先輩のいうとおりに単位をとってみようと思います。

 俺の場合、今はまだ12歳なので、卒業まで8年くらいかかっても問題ないわけですし、まずはチャレンジですよね」


「ところでエギル先輩に紹介したい奴がいるんですが、良いですか?」


「うん、どんな奴だ」


 おれはポケットからハイジを取り出した。


「これは何だ?」


「俺の友人のハイジです。紫スライムです」


「魔物が友人なのか。びっくりしたよ」


「驚かないで下さいね」


 俺はハイジを本来の大型犬サイズに膨張させる


「おーお、これがピーターの持っている圧縮・膨張の魔法か」


「やっぱり俺の事ご存じなんですね?」


「ああ聞いている。星見の水晶を砕いた力。ありえないものだと」


「ハイジは様々なものを吸収して、その体の中に蓄えることができるのです。

 新入生が相部屋の最初の課題として、水汲み場から上級生のために水を持ってくるってやつ、ちょっとハイジに手伝ってもらっても良いですか?」


「それは興味があるな、是非とも頼む」


「それじゃあハイジ、さっき教えた水汲み場で水を汲んできてくれるかな」


「良いよ。ピーター」


 ハイジはずるずると部屋をでていき、すぐに水を吸収して帰ってきた


「それでは汲んできた水を使って、エギル先輩にお茶をご用意したいと思います」


 俺はハイジに二つの部屋を作ってもらい、一つの部屋の中の水を断熱圧縮した。

 お茶を沸かすのにちょうどよい80℃になるように圧力調整をして、ハイジからポットとカップにお湯をそそいだ。


 用意してあった紅茶をポットに入れ、カップに注いだお湯をハイジに戻した後、ポットの中の紅茶をカップに注いでエギル先輩の前に差し出した。


「温度調整も自由自在なのか。すごいな」


「ハイジは様々なものを吸収し、蓄積し、必要に応じてそれらを混ぜ合わせたりして取り出すことができるのです。

 俺はそれを圧縮したり、膨張したりすることで、色々と加工することができます。俺とハイジは本当に最高の相棒なんです」


「魔物を従魔として使役しているのではなく、友人として協力しているのか。

 お前の前では常識が音を立てて崩れていく気がするよ。まあこの調子ならベクトル教授もすぐにピーターに単位を与える気がするよ」


 アカデミーの寮生活はフレンドリーすぎる王太子のおかげで順風満帆なスタートとなった


読んでいただきありがとうございました。


第2章に入ってきて、けっこうノリノリで楽しんで書いています。これからしばらくは毎日7時に更新をしていくつもりです。


更新頑張れ!

続きも読む!


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