表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

間話(2)

 機械仕掛けの古城――ヴァニティ・フェア本拠地。

 ミスター・レオことライオグランデは、薄暗い部屋の中で部下の報告に耳を傾けていた。

「……なるほど、奴らはあの場所に向かうつもりか。厄介なことになりおった」

 そう独りごち、ミスター・レオは部下のライオン型シェイドを下がらせた。

「レオ様、どうなさいますか?」

 そう聞いてきたのはアフリカ系民族衣装を纏った女――ジャッロレオーネだ。ミスター・レオは筋肉質な腕を組み、低く唸る。

「例の門とやらはテンガイが妙な術で隠しているが、それはこの世界の者には認識できなくなる術だそうだ。異世界人の小僧が赴けば簡単に発見されてしまうだろう」

「ですがレオ様、あの門は壊れてて動かないはずでは」

「門の機能自体はどうでもよい。問題はあれが異世界の産物ということだ。〈欠片〉の抽出を行えるのはテンガイだけだが、もし異世界人の小僧にもそれができたら事だ」

「ニャ……東條健が、戻って来ちまうってことですね」

 ジャッロレオーネは忌々しげに言った。東條健が帰ってきてしまえば、ミスター・レオの計画の全てが水泡を化してしまう。せっかくの幹部に返り咲くチャンスをふいになどしてはならない。

「門を処分してしまえばこのような事態にはならなかったものを……テンガイめ、『この世界で〈欠片〉を採掘する重要な資源だから壊すな』などとふざけおって」

 東條健を異世界に追放する方法を教えてくれた相手だが、奴と一戦交えてでも完全に破壊しておくべきだった。

 テンガイの隠蔽術は強力だ。今となってはミスター・レオに異世界の門を見つけ出す術はない。異世界人の小僧に見つけてもらう他にないだろう。

 だがそうなってしまえば、破壊よりも異世界人の小僧の始末が優先になる。

 ミスター・レオは腕組みを解いた。


「行くぞ、レオーネ。先回りして奴らを待ち伏せる。そこで決着をつけよう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ