3 注目選挙区 公明党の”真の力” 国民民主党や参政党はどこまでやれるか?
筆者:
当初はやるつもりは無かったんですけど、選挙結果を過半数以外ではどういう判定をしたらいいのか分からないのではないか? と思ったので後から作ることを決めました。
また、選挙を身近に感じてもらうためには、選挙区ごとにミクロの視点も大事なのかなと思いました。各地の「負けられない理由」を知っていただくことでその熱量を少しでも感じ取っていただければと思ったからです。
質問者:
小選挙区289もあるのでどこがどういう構図なのか? 何がどう注目か? なのかまで教えてもらえますか?
◇公明党の「本当の力」が分かる選挙区
筆者:
まず大きな注目ポイントとしては「公明党の組織票の行方」と言う点です。
公明党の動かせる票は「1万~2万」と言われていますが、それは「与党にいたからこそ」の特権的地位だったこともあると思います。
支持母体の高齢化もあって「過大評価だった」可能性もあるのです。
中道改革連合に入党した公明党出身議員は全てが比例代表単独となっており、
小選挙区でこれまで出馬していた候補の選挙区に関しては「どれぐらいの割合で中道改革連合の候補者に投票したのか」と言う指標になるのです。
質問者:
なるほど。確かに、これまで多くの方が投票していた地域だと比較がしやすいですからね。
筆者:
まず注目の選挙区は兵庫2区と東京29区、広島3区です。
この3つの選挙区に共通して言えることと言えば、「公明党幹部が小選挙区で当選していた」と言う点です。
兵庫2区には副代表だった赤羽一嘉氏、東京29区は岡本三成政調会長、広島3区は斎藤鉄夫共同代表の選挙区だったところです。
質問者:
それだけの重鎮だった方が出ていた選挙区なら落としたくないでしょうからね……。
筆者:
次に東京24区に注目したいです。
ここは東京都八王子市が選挙区となっており、支持母体の創価大学がある場所です。
さらに24区には自民党からは萩生田光一幹事長代行が出馬しており、「裏金事件に関して公明党との関係が悪化した主因」でもあります。
そのために公明党としては絶対に当選させたくない相手だと思います。
質問者:
公明党さんとは党役員人事で関係悪化しましたからね……。創価大学の場所ともなれば学生さんも有権者として多いでしょうから絶対に落としたくないでしょうね……。
筆者:
最後に宮城4区です。この辺りは区割り変更がありましたがこの地域では安住幹事長(主に宮城5区だった)が当選しています。
しかし、21年に8万1千票対6万1千票と2万票差に迫った元グラビアアイドルでもある森下千里環境大臣政務官が出馬しており、思ったよりも接戦ではないか? と言われています。
いつも勝ち続けているに安住幹事長が負けるともなれば「公明党とは何だったのか?」という事になると思います。
質問者:
安住さんはしかも色々なところに応援演説に行っているようですから「組織票頼み」になる可能性が高そうですからね……。
筆者:
これら5選挙区は「公明党の支援が本当なら勝てて当たり前」とも言える選挙区なので最低でも3選挙区、どんなに悪くても2小選挙区で勝利しなければ「公明党の力に疑問符」がついても仕方ないことだと思います。
◇国民民主党は伸びるのか?
質問者:
れいわ新選組さんは小選挙区では厳しそうですけど、筆者さんが注目している国民民主党さんはどうなんでしょうか?
筆者:
国民民主党は前回小選挙区で11議席、比例代表で17議席でした。今回比例は20議席以上の可能性が高そうですが、小選挙区でどの程度上増しできるかが焦点になりそうです。現実的な目標は合わせて40議席と言うところでしょうね。
まずは東京2区です。
ここは顔ぶれとしては前回と変わらず自民党現職辻清人氏が前回当選、国民民主党の鳩山紀一郎氏(前回比例復活)が追う展開です。この選挙区の特徴は中道からの候補者がおらず、保守系の維新の会と参政党が出ていることから保守票が割れるために国民民主党に有利な状況にあるのです。
前回は辻氏6万6千票あまり、鳩山氏4万8千票だったのでここが取れるかどうかは勢いがあるかどうかの指標になるでしょう。
質問者:
国民民主党さんは東京での小選挙区当選者がゼロだったそうなので是非欲しいでしょうね。
筆者:
埼玉14区、福岡4区は中道が立候補しておらず、当選した過去が無い中では可能性があります。
特に埼玉14区は公明党の石井元代表が立候補していた地域です。そのために批判票を一手に国民民主党が引き受ける可能性があります。
質問者:
なんだかんだで中道さんと国民民主党さんでは票の取り合いになりそうですからね……。
筆者:
静岡4区は前回国民民主党が僅差ながらも初めて獲得した選挙区ですが、榛葉幹事長(参議院静岡選挙区)の地元でもあるために是が非でも守りたい選挙区でしょう。
香川3区は玉木代表(香川2区)の隣の地区ですが、獲得したことが無い地域です。中道の候補者が今回いないチャンスなので是が非でも欲しいでしょう。
質問者:
◇参政党は高市政権を前に埋没しないか?
筆者:
更なる躍進のためには上記の選挙区の過半数以上を取りたいところですね。
最後に参政党について触れておきましょう。参政党は去年から躍進したために小選挙区獲得実績がありません。
しかし、状況次第では今からの中で1つぐらい取れる可能性はあるとみています。
1つ目は東京1区です。
この選挙区は近年民主党系の海江田万里氏と自民党の山田美樹氏が毎回死闘を演じていますが、ここに党副代表の吉川里奈氏が参入しそうです。吉川氏は38歳でありながら鋭い質問を国会で投げかけており、将来党を背負う立場でしょう。
2つ目は宮城2区です。
これは去年宮城県知事選挙で接戦を演じた和田政宗氏が出馬しています。和田氏は宮城県知事選で得票数は仙台市内では上回るほどでした。
3つ目は群馬4区です。
ここには25年の参議院選挙で群馬選挙区で当選した清水氏28万8千票に対し26万票まで迫った青木ひとみ氏が出馬しています。
現状、世論調査では上記の選挙区もそこまで有力では無いようなのでもし取れるような状況であれば比例代表でも予測議席よりも上回る可能性はあると思います。
質問者:
でも、序盤の世論調査の段階ではありますけど、参政党さんは参議院の時よりは勢いを感じませんがどういう事なんでしょうか?
筆者:
一つは高市政権が外国人政策に厳しくなりランチェスター戦略で言う「差別化の無効化」によって参政党が埋没しつつあることです。
前回伸びたのは石破政権が外国人政策に対して厳しい表明をしなかったからに他ならないという事です。
あとは「参政党への投票が高市政権への支援になる」という連立もしていないのに与党のような訳の分からないロジックを使っている点だと思います。
純粋に「高市政権よりも厳しい外国人政策」と言うところに特化した対立軸にすれば良いものの、この辺りも有権者に響かない点でしょう。
当初は20議席をうかがうラインとまで言われていましたが、現実的な目標ラインでは比例で10議席前半~15議席ぐらいなのかなと思います。
質問者:
有権者に響ききらなさそうなことはマイナスですが、それでも一定レベルの実力を出せているのは凄いですね。
筆者:
参政党が他の中規模政党とは違うのは地方組織が全小選挙区にあり、小さい市町村長でも議員を出しています。その方々が党員を集め、支援している大きな組織があまり無くとも個人の寄付だけで選挙費用を集められているようです。
そして、いつ選挙があっても候補者が出せるように準備しているみたいなんです。
多少の波はあるかもしれませんが、自民党に吸収されない限りでは、長期的に運営できるシステム作りが新興政党でありながらできているのは凄い強みだと思いますね。
衆議院も中選挙区制度に戻ったなったなら、更に伸びる可能性を秘めていると思います。




