2 中規模政党に投票する意味と「ランチェスター戦略」
質問者:
でもやっぱり、過半数が無ければ法案成立しないのは明白なので、
自民党さんか中道さんに投票する以外ないような気もするんですけど……。
筆者:
確かに法案成立においては過半数が無ければお話にならないのは事実です。
しかし、単に単独で法律を成立させる以外において「影響力を及ぼすことができる」ということです。
質問者:
筆者:
これは中小企業の生き残り戦略のための経営学の用語です。
1914年にフレデリック・ランチェスターが発表したもので、
企業が市場競争で勝つための手法を導き出した「弱者」と「強者(シェア1位)」の異なる戦い方をすることで市場競争していくセイン略のことです。
中小企業は「地域密着」「一点集中」「差別化」で勝機を見出し、大企業は「ミート戦略(追随)」によってシェア維持を目指すといった考え方です。
質問者:
筆者:
「企業経営」が「党運営」に、「経営戦略」を「政策」に置き換えてみると僕の言うことが分かりやすくなるかなと思います。
24年の衆議院選挙で躍進した国民民主党は「手取りを増やす」ことを掲げて、所得税の壁の引き上げなどを求めました。
その結果、住民税はまだまだですが、特定扶養控除の引き上げは実現され、所得税の壁は26年からは178万円に引き上げられそうです。
25年の参議院選挙で躍進した参政党は「日本人ファースト」を掲げて、極度な外国人の受け入れや優遇を辞めるように訴えました。
この結果、永住や帰化を厳しくすることや外国人の生活保護の厳格化など、まだまだ足りないものの政権側は受け入れました。
このように、「差別化」を図ろうとした国民民主党や参政党に完全に一致した政策では無いものの中規模の政党にとって代わられないようにするために、中規模の政策の一部を自民党はそれぞれの政策を反映させるのです。
質問者:
政治の議席であれば経営よりもシェア(議席割合)が一気に変わることもありそうですからね。
筆者:
そうです。自民党側もこの2党に潰されないようにするために「差別化の無効化」をさせるために追随する可能性が高いのです。
現在で言うのであればほとんどの党が消費減税について形が違えど訴えてきているので、
自民党も「検討を加速」程度ではありますけど消費食品減税をすることを公約に掲げています。
質問者:
なるほど、ランチェスター戦略に近いことが多党制の状況だと起きるという事ですか……。
筆者:
自民党も流石長期政権を担っているだけあって、どうして議席を失ったのか? どうしてあの党派躍進したのかを分析をしてきます。
そうした「差別化の無効化」をやってくるのにに対して中規模政党は更なる差別化を図ろうと次なる提案をしてきます。
国民民主党であれば保険料の還付であったり、
参政党であれば日本人の国民負担率を35%にギャップを創るといった案や外国人受け入れ上限をもっと厳しくしようと言った事です。
これらの党が躍進すれば、より自民党もそういった政策に寄せてくる可能性が上がります。
完全に政権入りでは無くとも政策協定の代わりに選挙協力(特定の選挙区で出馬しない)といったこともあり得ます。
中規模の差別化 ⇒ 自民党の無効化 ⇒ 中規模政党の更なる別側面の差別化
といったこのようなランチェスター戦略のサイクルを上手いこと回していくことで、政権交代をせずとも自民党の政策を変更させ、日本をより良くすることができると僕は考えているのです。
◇「食品のみの消費減税」を訴えている政党は「絶望的」
質問者:
なるほど……そんな中で「いつもの3党」が出てくるわけですね?
筆者:
僕のエッセイを何回かご覧の方は「またか……」感があると思うんですけどね(笑)。
大きな基準を設けるとするのなら「食品のみの消費減税」を訴えている政党は「消費税のイロハ」を理解しているとは到底思えず経済政策において「絶望的」だと思います。投票先としての「足切りライン」と言えます。
消費税は「賃下げ税制」であり物価が下がる効果は「副次的効果」なのです。
食品のみを下げることでインボイス制度が固定化する(1000万円以下をイジメる又は課税業者の負担増)のでこれも良くないです
※ 食品のみがいかにいけないのかについては詳しくはこちら https://ncode.syosetu.com/n1949lr/
国民民主党一律で5%に減税、参政党は段階的に廃止、れいわ新選組は即時廃止
と一律で下げる又は廃止を訴えているのはこの3党しかないんです。
質問者:
筆者:
他の党は食品減税の期間に差がある程度に過ぎません。
後はどの党を選ぶか「個々人の価値観の差」としか言いようがないです。
簡単にまとめた表がこの通りです。勿論少し違うかもしれないので参考までにと言うところです。
実績 国◎ 参〇 れ△
減税 国〇 参〇 れ◎
社会保障改革 国△ 参△ れ◎
農家の個別補償 国△ 参〇 れ〇
外国人対策 国〇 参◎ れ△
他の党に吸収されないか? 国△ 参△ れ◎
党の独立性以外では将来性 国〇 参〇 れ△
緊急事態条項含反対か? 国× 参〇 れ◎
◎と×について詳しく解説しますと、
実績面においては所得税の壁の撤廃や特定扶養控除の引き上げに関しては国民民主党が主導した功績と言っても過言では無いでしょう。
参政党は外国人政策に関して間接的に動かしたというところで△寄りの〇かなと思います。
他の党に吸収されないのか? という事に関してれいわ新選組は独自性を保っていますのでちょっと危うさを感じる他の2党に比べると安定感はあるのかなと思います。
その一方で独立し続けた場合の将来性に関してはれいわ新選組は党代表であり「顔」とも言える山本太郎氏が活動を無期限で停止するという事から党勢の減退の可能性が高いのかなと思います(共同代表の大石氏は時間などのルールを守らないことが多くあまりいい印象を持っていない方が多そう)。
緊急事態条項は国民民主党が全面的に賛成している側なので×だと思います。参政党は憲法に関しては「創憲」と言う立場で緊急事態条項に関しては反対と言うちょっと他の党とは違う立場なので△寄りの〇なのかなと思います。れいわ新選組は明確に反対なので◎で良いと思います。
※1月29日追記
「チームみらい」が比例代表で複数議席を獲得可能性が高い(最大6議席」と言う報道があるので、どうしてここまで伸びる可能性があるのか解説しますと、
「チームみらい」は若者の手取りを増やすためには消費減税よりも社会保障減免を主張しており「差別化」のランチェスター戦略としては成功していると言えるのです。
しかし、減税か社会保障減免か2項対立にしている時点で僕は評価できません。財政法4条改正すれば両方できると考えているからです。
質問者:
れいわ新選組さんは山本さんが無期限で活動停止されることは大きいですよね……。
筆者:
上記の表以外の注釈するのであれば、
れいわ新選組は政策が変わっていないことはランチェスター戦略の視点で見るとあまり良くないです。
信頼を確保するために政策の一貫性も大事なのですが、ブラッシュアップをして改良するといった姿勢が少し足りないのではないのかなと思います。
参政党は和田政宗氏や豊田真由子氏など自民党元議員を続々と入党させてそれなりのポジションに重用しています。「自民の互換勢力」と言う指摘がされてもやむを得ない状況なのかなと思います。
国民民主党は自民党にも中道にもどっちにも吸収される可能性があるのかな? と思わせる「フラフラ感」があるので、ちょっと怖いのかなと思いますね、
質問者:
筆者:
国会議員になるためには最低でも2000万円ぐらい必要なので、議員になられる方のほとんどは生活に困ったことが一度も無いような「上級国民」になります。
そのために一般庶民の感覚と乖離していてもある意味し方無い側面もあるのかなと思います。
また思想の多様化が進んでいますから、自分が政党を作ってそれが過半数に到達しない限りは自分に完全に意に沿った政治と言うのは行われないのである程度は妥協する必要があるのかなと思います。




