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第二十一章:成長の加速、巣立ちの時


リオンの努力は、着実に実を結び始めていた。エリシアの店での仕事の割合を、月の半分から三分の一に減らしても、生産量は落ちなかった。むしろ、魔力そのものの量が増え、そして、魔力のコントロールが格段に向上したことで、以前よりも短時間で、より質の高いポーションを作れるようになっていたのだ。特に、水の浄化を手のひらから広範囲に魔力を放出する方法で効率化してからは、ポーション作成のスピードは飛躍的に向上した。


その空いた時間を、リオンは、冒険者としての仕事と、街の外での剣の訓練に充てた。バルドやカイルが隣の領都へと旅立ってから、ソロでの活動に慣れたリオンは、より難易度の高い依頼にも挑戦するようになっていた。そして、何よりも、風刃の剣の修行に力を注いだ。


「風よ…一閃!」


林の中で、リオンが剣を振るうたびに、力強い風の刃が放たれた。その威力は、以前とは比べ物にならないほど増していた。遠くの木々を薙ぎ倒し、岩に深い傷をつけるほどの威力。距離も、射出速度も、飛躍的に伸びていた。


「よし!」


リオンは、自らの成長を実感していた。ゴブリン程度であれば、もう恐れることはなかった。数が増えても、風刃の剣を巧みに使い、一体一体確実に仕留めていく。以前のような苦戦は、もう、ほとんどなかった。


「リオン、あんた、ずいぶんと強くなったわね」


エリシアは、リオンの様子を見て、満足そうに微笑んだ。彼女は、リオンが店を離れている間に、彼がどれほどの成長を遂げたか、肌で感じていた。


「素材の回収も、以前よりずっと効率的になったし、ポーションの品質も、さらに向上した。これも、あんたが、自分の力を、ちゃんと理解し、コントロールできるようになったからだろうね」


エリシアは、リオンの頬を優しく撫でた。


「ところで、リオン」


エリシアの言葉のトーンが、少し変わった。


「あんた、そろそろ、この店は『卒業』かね~」


その言葉に、リオンは、驚きを隠せなかった。卒業?


「エリシアさん…?」


「そうよ。あんたは、もう、この店にいるだけじゃ、もったいないくらい、強くなったんだよ。アッシュも、アリサも、きっと、あんたが、自分の道を歩み始めるのを、望んでいるはずだ」


エリシアの言葉は、リオンの心に、新たな響きをもたらした。それは、別れの言葉であり、そして、新たな旅立ちへの、祝福の言葉でもあった。リオンは、エリシアの言葉の意味を、静かに、しかし深く、受け止めていた。


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