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第十五章:薬師の問い、秘められた力

リオンは、ギルドでの手続きを終え、再び薬師エリシアの店へと戻った。夕暮れ時、領都の喧騒も少しずつ落ち着きを見せ始めている。店の扉を開けると、先ほどよりもさらに濃密になった薬品の香りが、リオンを迎えた。


エリシアは、リオンに、店の奥にある調剤室へと促した。そこは、先ほどの店先とは打って変わって、さらに雑多で、しかし、どこか神秘的な雰囲気を醸し出している空間だった。様々な薬草や、用途不明の道具が並び、独特の匂いが充満している。


「さあ、ここに座って」


エリシアは、リオンを、調剤室の片隅にある椅子に座らせた。彼女自身も、リオンの向かいに腰を下ろし、その鋭い視線をリオンに向けた。


「リオンだったかね。あんた、いったい、この薬草になにしたんだい?」


エリシアの声は、先ほどよりも興味深そうに響いた。その瞳は、リオンの隠された秘密を見透かしているかのように、じっと彼を見つめている。


「え…?どういうことですか?」


リオンは、エリシアの問いかけに、戸惑いを隠せない。


「そんなに驚くことはないさ。私は、長年、薬草を扱ってきた。その薬草が、どんな状態だったか、そして、どんな風に変化したか、大体わかるんだ」


エリシアは、リオンが納品した薬草について、さらに詳しく語り始めた。


「あの薬草は、本来、もっと傷んでいた。本来ならば、あの状態では、薬の材料として使うには、かなり手間がかかる。しかし、君の納めた薬草は、まるで、生命力を吹き込まれたかのように、瑞々しく、そして力強かった。まるで…魔法でも使ったかのようにね」


エリシアの言葉は、リオンの心臓を早鐘にさせた。彼女は、自分の魔力による変化に、気づいたのだろうか。


「私は、ただ、薬草を採取して…」


リオンは、言葉を濁した。本当のことを話すべきか、迷った。しかし、エリシアの真剣な眼差しは、嘘を許さないように見えた。


「…それだけじゃないだろう?」


エリシアは、リオンの言葉を遮るように、静かに続けた。


「君のその目…ただの子供の目じゃない。何か、特別なものを、見ているような…」


エリシアは、リオンの顔をじっと見つめ、そして、ゆっくりと口を開いた。


「もし、君が、何か隠していることがあるなら、話してみるのもいい。私は、秘密を守れる人間だよ」


リオンは、エリシアの言葉に、安堵と、そして、新たな決意を抱いた。この薬師は、自分の力を見抜き、そして、受け入れてくれるかもしれない。リオンは、エリシアの真剣な眼差しに応えるように、ゆっくりと、自分の秘密を語り始めた。


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