君に見せたい
ボクだけのお気に入りの場所で
今日も日向ぼっこ
この場所は誰にも譲らない
ボクだけの場所だ
木漏れ日からさす日の光が
とっても気持ちよくて
風がそよそよと
ぼくの体を通り過ぎていくのが
本当に気持ちがいい
たまに来る小さな鳥は
挨拶だけして飛んでいく
くるんと丸まって
うたた寝をしていると
一階の窓が開く音がした
僕は階段を駆け下りて
窓際へジャンプした
レースのカーテンがひらひらとなびき
見上げると、長くてきれいな金髪がさらさらと揺れ
君は気持ちよさそうに風を感じている
庭の木の下にきらりと光る何かがあった
ボクはその窓から飛び降りて
光る何かを探した
そこにあったのは
薄茶色の小さくてきれいなドングリだった
君の瞳の色と同じ色だ
嬉しくなって、ボクはそのドングリを銜えて
窓際で待っている君にプレゼントした
君はにこりと笑って
ボクの頭を優しくなでた
ボクは君のその表情が好きだ
だからボクは君に見せたいものができたら
プレゼントするって決めたんだ
君だけにね
でも一度だけ、ボクは君を泣かせてしまったことがある
野鼠が君の大切な木箱にいたずらをしていたから
そいつをやっつけたんだ
いつものように君が喜ぶと思って
そいつを銜えて君に見せた瞬間
今まで聞いたことのない
まるでこの世界が終わってしまうかのような
そんな声を初めて聞いた
野鼠は見せてはいけないことを
あの日ぼくは学んだ
実家の猫は
モグラを捕まえて持ってきたことがあった
懐かしき思い出