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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(3/3)-『決着』編

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267/295

267-人外の戦い

再びにらみ合いが始まった直後。

カルが動いた。

キネスの力で加速し、音速を超えて肉薄したのだ。

だが、音速程度では――――


『視えているな』

「ッ....嘘!?」


触手の連撃が、エリアスによって蹴り飛ばされたカルを襲った。

カルは抜刀すると、触手を弾き飛ばす。

伸ばした触手向けて消滅弾が飛ぶが、それより前に触手は戻っていた。


「ビット!」


シンの背から射出されたビットが、エリアスを取り囲み射撃する。

隙間のない射撃を、エリアスは踊るように回避する。

強化された脳髄が情報を処理し、ビームの合間を縫って触手がビットを狙う。

ビットは役目は果たしたとばかりに触手の合間を飛行し、一点に収束して一斉に射撃。

エリアスは射撃を右手に力場を纏って弾く。

反対側から駆け抜けてきたファイスを、エリアスは目からビームを放つことで牽制、床を白熱化させて薙ぎ払われたビームを、ファイスは縮地で追い抜き、エリアスへと肉薄、全力で殴打を放った。

エリアスはその殴打を真正面から受け止め、勢いを完全に殺したうえで別の方向へ向け、盾にする。


「その手は食わない!」


カルは光の剣を打ち捨て、ファイスをキネスで無理やり引き寄せる。

ファイスを地面に降ろしてから、再びキネスで光の剣を引っ張り、構え直してエリアスに斬りかかる――――と同時に、エリアスの放った触手に襲われる。

カルは触手をキネスで弾き飛ばし、再び触手を引き寄せようとする。

その瞬間。


『調和せよ』

「くっ!!」


エリアスのキネスで周辺空間が強制的に正常化され、カルの動きが鈍くなる。

援護するべくシンがビットを飛ばすが、触手が射撃を弾き飛ばした。


『ちっ』


周辺空間が正常化するにあたって、シンとカルは素早く真空に対抗するモードへと強化外装を変化させる。

だが、ファイスはその装備を持っていない。

地面に突き刺した酸素フィールド生成器で瞬間的に酸素エリアを展開、その内部で耐える。

それを狙い、触手が襲い掛かる。


「ファイス!」

『足手まといは捨てた方がいいんじゃないか?』


ファイスを守るために吶喊するカルに、エリアスが素早く追いすがる。

そして、カルが反応する暇もなく、正拳突きが放たれた。

衝撃波だけでカルのチェストプレートが粉砕され、直後に真空がキネスで塗り替えられる。

エリアスがそれを無効化しようとしたとき、シンの消滅光がエリアスの居た場所を薙ぎ払う。

ファイスもカルも無視した一撃。


「足手まとい....? 私の仲間を、侮辱するな!」

「そうです」


直後。

ファイスがエリアスの頭上に出現する。

エリアスがカルの方を見ると、そこには動いていないカルがいた。


『キネスで空間転移...!?』

「見くびるなよ、エリアス・アルティノス。――――私は、カル様のッ......!?」


だが、ファイスもまた、エリアスを侮っていた。

喋る隙に、届かなかったとしても――――腕の一本でも破損させていればよかったのだ。

エリアスが音速を超えて動き出す。

そして、その頭を、エリアスの動きしか見ていなかったファイスのその頭を。

触手が切断した。


『主人が与えてくれた機を逃すようであれば――――駄犬もいい所だ』

「ファイス!!」


ここに居るのは、”人外”なのだ。

そして、この宇宙に息づく人類史の”空白”でもある。

異世界人ではなく、この世界に生きる”普通”の”人類”である以上、ファイスにはその覚悟と決意が必要であった。

ただ弱かった。

それだけが、この勝敗を分けたのだ。


『それで?』

「ファイス.....お前ッ!!」

「はぁ....面倒は減ったか」


拍子抜けだと睥睨するエリアスに対して、激情を露にするカル。

それを、冷ややかな目で見ているシン。

二人の問題を浮き彫りにするような絵面だったが、エリアスにとっては予想通りの反応。

一気に飛び出したカルに続くように、シンもその跡を追った。

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