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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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256-決戦1

エリアランツェは動き出す。

ビットを排除するという目的のために。


『行くぞ、エリアス!』

『私に命じられるのは、私自身だけだ...つまり、アラタ、お前の指示に従う!』


エリアランツェが加速する。

それを追うようにビットが追随する。


『いくらビットといえど、単独で光速を突破するには相応の負荷がかかるはずだ』

『ならば、囲めばいい』


独立型セントリービット『パニシュメント』は、通常のビットとは違い多機能である。

エリアランツェを追っていたビットのうち一機を、空間固定波をぶつけて捕らえた。

他のパニシュメントがビットを包囲し、射撃して破壊する。


『パニシュメント、五機撃墜』

『やはり、読んでくるか』


予知に近い動きを見せるリヴァイアサン。

そのパイロットが何か指示しているのだろうと、二人は読んでいた。

セントリービットが別の消滅ビットによって破壊され、残ったものを回収する隙をリヴァイアサンに突かれる。

機体を高速回転させてリヴァイアサンを振り解き、下方向へ加速。

そのまま一瞬リヴァイアサンの注意を引きながら、位相置換によりケテルの真後ろに転移する。


『何だとっ!?』

『お兄ちゃん!』

『舐めるな!』


直後、ケテルの両腕にあったハッチが開き、中から無数の爆雷が飛び出して、爆発しセンサー妨害粒子をばら撒く。

粒子が飛散する前に、全身にあるスラスターを噴射してケテルは離脱していく。


『厄介な...』

『避けた、とでも思ったか?』


直後。

センサー妨害粒子の中から飛び出したビットが、ケテルの左腕を撃ち抜いて破壊した。


『ぐ...』

『終わりだ』

『ふんっ!』


エリアランツェの前面砲台による集中砲撃は、ケテルに到達する前に消失する。

次弾を効力射と判断したエリアランツェの前に、超高速で接近して来たリヴァイアサンが立ちはだかる。


『お兄ちゃんはやらせない!』

『事象の歪曲を確認』

『キネスキャンセラー、起動』


キネスキャンセラーを起動し、一撃を放とうとしたその時。

唐突に、アラタが制御を奪ってエリアランツェを転移させた。


『何をする!?』

『よく見ろ、大型のビットだけではない』

『!』


ケテルではなく、リヴァイアサンに接続されていたらしいケテル用のビットが起動し、ビットを消滅光で消し飛ばしていた。

もしあそこで仕掛けていれば、推進器を消し飛ばされていた、とエリアスは理解する。


『なんて手数の多さだ...』

『機を逃したな』


しかし、まだである。

まだ、戦闘はエリアランツェの有利となっている。

ビットを優先排除するという目的に変更はない。


『行くぞ!』

『当然だ』


再び誘い出すように動くエリアランツェだが、すぐに異変に気付く。

リヴァイアサンが付いてこないのだ。

代わりに、ビットがケテルの周囲に展開し、一方的にエリアランツェに対して遠距離砲撃を仕掛けてくる。


『攻撃の精度が上がっている!』

『やはり予知持ちか!』


エリアランツェの最適回避パターンを読んで攻撃を差し込んでくるせいで、動きが乱れ始めていた。

リヴァイアサンがそばに居るせいで消滅ビットも排除できないため、一気に劣勢に追い込まれた形になる。


『どうする? 私はこの場合の解を持たない』

『僕に聞くのか?』


エリアスとアラタは考える。

これが、予測に極めて近い予知であれば、動きに乱数を混ぜれば混乱させられる。

だが、現象回路を用いた変動値含有の未来予知であれば、回避は困難になる。


「なら、人間的な手で行こう」

『聞こう』

『賭けだ』


アラタは賭けに出ると言った。

それは無謀も無謀、最早ヤケクソといったような案だった。

だが、


『アラタ、私はお前の非合理な案が成功するのを幾度と見た』

『...それが?』

『賭けてみる』


賭けという概念を知らない生娘が、賭けると言ったのだ。

ビギナーズラックか、初戦黒星か。

やってみなければ、分からないのだ。


『お兄ちゃん、相手が動きを止める』

『分かっている、万策尽きた訳じゃないが...何をやろうとしている?』


攻撃が、一挙にエリアランツェに集中する。

キネスキャンセラーを全開にしながら、エリアスは慎重に狙いをつけた。


『ニュージェネシス、発動』


エリアランツェに搭載された副超兵器である、ニュージェネシスが放たれた。


『お兄ちゃん! くっ!』

『曲げただと!?』

『次弾充填!』


だが、リヴァイアサンが右腕を突き出しニュージェネシスを屈折させて逸らす。

それより前に再充填を終わらせ、エリアランツェがニュージェネシスを発射する。

二発目を両腕で曲げたリヴァイアサンに、三発目が飛んでくる。


『俺に任せろ!』

『お兄ちゃん!?』


察したケテルが、リヴァイアサンを押し退けて消滅光を放った。

消滅するニュージェネシス、そして、この瞬間だけは...


『『射線が通った』』

『お兄ちゃん!』

『射線が通った...!』


エリアランツェと、ケテル。

その両方に射線が通る状態となった。

カルの指示を聞く間もなく(・・・・・・・・・)、ケテルが消滅光を正面に向けて(・・・・・・)放った。


『ここだ!』

『発射』


アラタが機体を傾けて消滅光をスレスレで回避すると同時に、エリアランツェは全砲門をケテルに向けて開いた。

直後、ケテルから何かの揺らぎが発し、その装甲が純白に染まって行く。

染まった所に直撃したレイブレイクは効果がなく、しかし逸れて足に当たったレイブレイクは、確実にケテルの右足を破壊した。


『くっ...一旦逃げるぞ、カル!』

『うん!』


右足を損壊したケテルは、飛びついてきたリヴァイアサンと共にワープで離脱を試みる。


『敵が逃げるぞ』

『逃げられるはずがない』


エリアランツェは、ケテルとリヴァイアサンの航跡を追ってワープするのであった。

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