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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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250/295

250-王の威光、神の愚策

その頃。

ケイトリンが率いる艦隊は、二手に分かれて連邦艦隊を挟撃していた。

更にその水面下(亜空間)では、イオド・ルナティラノス艦隊が、第五指揮官フュンフの乗るサタリエル級と、それが率いるアザトース級、ヨグ=ソトス級とレッドシャーク級潜空艦と戦闘していた。


『くっ......こいつら.....』

『状況報告~、こっちも結構ヤバげ~』

『分かってる!』


イオド・ルナティラノスは、通常の動力とエネルギー兵器の利用できない亜空間において、特殊なビーム兵器と動力を搭載したルナティラノスである。

魚雷が主流の連邦艦隊は、徐々に追い詰められていた。

しかし浮上は出来ない。

何故なら、地上でも艦隊が挟撃されており、いい的にしかならないからだ。


『射線が通らない.....”バアルの慈雨”が使えないなんて! ダル! ズル!』


第七指揮官のズィーヴェンが乗るオレブ=ザラクには、Ve’z艦隊に抵抗できる可能性のある武装が搭載されている。

しかしながら、射線が通らないうえに近距離に特化した武装のため、1000km離れての撃ち合いになっている現状は使用できないのだ。

オレブ=ザラクには武装がなく、多機能ドローンで攻撃や防御を補助している。

だが、それらのドローンは、ケイトリン艦隊から放たれたサイフォス・ビットが撃ち落としている。

決定打に欠ける連邦艦隊は、徐々に追い詰められていた。

そして、何より。


『メメントモリ! どーなってるの!?』

『現在、艦隊全体に強力な妨害が行われています。その対処に追われています』

『え~? メメントモリなら何とか出来るでしょ?』

『試行中です』


オレブ=ザラクに搭載されたコンピューター『メメントモリ』は、艦隊の制御を行う事が出来、AURORAから独立した艦隊指揮が行えるのだが......

ケイトリンの乗艦、エントラージ・エクスティラノスによって、艦隊全体に妨害がかけられており、その対処で手いっぱいとなっていた。


『中々、やる......』


ケイトリンは呟く。

エントラージ・エクスティラノスには、エナジーバニッシュフィールドとセンサーディスラプションフィールド、グラビティフィールドのジェネレーターがそれぞれ搭載されている。

だが、ズィーヴェン指揮下の艦隊は、エネルギーのやり取りやセンサー強化の共有など、高度なやりくりに感心していた。


『ですが、もう――――終わりにしましょう』


エントラージ・エクスティラノスに装備された、精神兵器(サイコ・ウェポン)が起動する。

その名を、『カイザー・オーソリティ』。


『【控えよ】』


直後。

その場にいた全ての人間――――フュンフとズィーヴェンは、それの影響下に入った。


『な、にこれ......』

『ズィーヴェン、作戦提案に受諾を』

『フュンフ、どうされましたか!?』

『指示が.....出せない.....!』


カイザー・オーソリティの効果は、精神リンクを構築し、人間を自由に操る事の出来る効果を持つ。


『【自害せよ】』


直後。

フュンフはレーザーガンを抜いて頭を撃ち、死んだ。

ズィーヴェンは死ぬための道具が無い為、その場で硬直する。


『あ......あ.......』

『制御者に異常発生。審議プログラムの可決により自律稼働モードに入ります――――最適解を実行』


ズィーヴェンの無力化を確認したメメントモリは、制御を自律モードに移行し、オレブ=ザラクをケイトリンにワープで突っ込ませ、バアルの慈雨を起動した。

機体前面のパネルから放たれた光子魚雷が、Ve’z艦隊を破壊していく。

だが、直後。


『愚直、愚策、そして――――愚弄。戦略を捨てた特攻など、相手に対する侮辱であるぞ』


エントラージ・エクスティラノスの機体が変形し、天輪がそのブリッジの上に出現する。

光の翼を広げ、「王」としての威容を知らしめるようにそこに在った。

最終兵器「王の勅令(カイザーオーダー)」が起動する。


『【自滅せよ】』


勅令が飛ぶ。

それは、一瞬でその宙域にいる艦隊の制御を奪い、自爆させる。

それは亜空間にも届き、指揮官を失った艦隊は壊滅していく。


『制御不能、制御不能、緊急シャットダウン――――』

『貴様は、もう黙るがいい』


エントラージ・エクスティラノスから伸びたテンタクルインテグレーターの触手が、オレブ=ザラクを突き刺し、吹き飛ばした。

その頃には、亜空間の敵を排除したイオド達が浮上してくる。


『任務完了、帰投する』


翼を仕舞ったケイトリンは、艦隊を回頭させる。

その時。

巨大な光球が、シールドトランスファーアレイの方で巻き起こった。


『ナル、まさか!』


崩壊していくシールドトランスファーアレイを横目に、ケイトリンは相方が何をしたか理解した。


『.......馬鹿者』


そう呟き、ケイトリンは艦隊を先行ワープさせるのだった。


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