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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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240/295

240-舞い降りる槍

「く.....!」


エリアスの乗るエリアランツェは、凄まじい速度でアロウト↔第四防壁間を飛行する。

ワープではないものの、光速の四倍での飛翔はこの防壁間の分厚い距離という壁を完全に突破していた。


「流石は......エリアランツェ!」


推進モードに移行しているエリアランツェは、その船体の後部が無数に開いている。

そこからスラスターを最大出力で噴射、重力制御により質量を極限まで抑える事で、通常空間内を光速の四倍で進んでいるのだ。


「レーダーに引っかかる前に、一撃を入れる!」


エリアランツェはバレルロールし、徐々に減速しながら敵を視界に捉えた。

アバターを中心とした艦隊が、防壁に対して攻撃を加えている。


「総数.......5100か」


エリアスは素早く機体の装置で計算を済ませる。

5000の艦隊を的確に滅ぼす手段を。


「流石に一撃という訳にはいかないか」

『だが、私に任せれば不可能ではない』

「ああ、そうだな」


エリアスの中で、もう一人のエリアスがせせら笑う。

機体を完全に制御できるのは、真エリアスしかいないのだ。


「任せる」

『ああ』


エリアスの瞳が紅く変化する。

直後、エリアランツェは最高速度で艦隊に肉薄する。

そして、その頭上で静止する。

光速から一瞬で減速し現れた艦艇に、レーダー頼りの連邦艦隊は気付かない。


『愚かな』


エリアランツェが推進モードから攻撃モードに切り替わり、エクリプス・レイの上位互換砲レイブレイク二十五門を装甲下から展開する。

たった1秒の間に、異なる標的を三十撃ったエリアランツェは、攻撃を受ける前に推進モードに切り替わり、レーダー波の届かない遥か彼方へと加速して消え去った。


『襲撃です!』

『どうした! レーダーに反応は!』

『ありません、攻撃者を確認する前に消失しました!』

『くっ....遮蔽装置か?』


ブリッジでは、突如の撃墜通知にオーロラとシンが困惑していた。

それに合せるように、続けてエリアランツェが艦隊後部に回り込み、レイブレイクによる一斉射撃を放つ。


『お兄ちゃん!』

『どうした、ルカ!』

『敵の気配がする.....物凄い速度で動いてるよ!』

『オーロラ! トラッキング増幅装置を使用しろ!』

『了解! 全艦、リンク!』


直後、やられるだけだった艦隊は、エリアランツェの存在を捉えた。

そして、停止地点を予測。

そこに砲撃を集中させる。

だが――――


『躱した、だと!?』


エリアランツェは直前で静止、スラスターの軌跡を残して再加速をかける。

その場に残された独立型ビット「サイフォス」が一斉に射撃を開始し、側面の艦隊二十六隻を宇宙の藻屑へと変えた。


『これ以上減らさせるものか、俺が出る』

『よろしいのですか....?』

『ああ! 戦闘機全機発艦! 近接滞留粒子弾頭を係留しろ。全機で奴を追い詰めるんだ』


直後。

アバターから、一機の人型兵器が飛び出してきた。

遅れて、アドアステラから中型の人型兵器が飛び出し、アバター側の人型兵器と合流する。


『出て来たな、エリアス、気を付けろ』

『分かっている、アラタ』


エリアランツェ側のHUDに、敵機の表層情報が表示される。

アラタがエリアスの脳を一部使ってハッキングしたのだ。


『遮断された、オーバーライドは出来ないか』

『”KETER(ケテル)”に”LEVIA(リヴァイア)-THAN(サン)”? アラタの世界の言語か』

『そうらしい』

『以前見たデザインと違うな』

『ああ、そっちの新型は気を付けろ、ただものじゃない』

『分かっている』


ケテルは周囲に六本の筒を背負っており、リヴァイアサンは人を素体にしたようなデザインである。

ケテルの六つのサブカメラと、一つのメインカメラはそれぞれモノアイになっており、異形感がある。

そのサブカメラが、一斉に中央に寄った瞬間。


『エリアス、回避しろ!』

『....分かった!』


ケテルの周囲の六つの筒、先端部がアームのように開き、その掌から光が飛び出した。

高速移動中だったエリアランツェは、それを緊急制動の後に回避する。

接触したサイフォスビットが消滅し、エリアスはそれが前回の消滅兵器だと理解する。


『消滅兵器をビット化しただと!』

『それだけじゃない、奴らは...速いぞ!』


ケテルとリヴァイアサンは、瞬間的とはいえお互いに光速の二倍まで出している。

この速度は攻撃モードのエリアランツェと同じである。


『恐らく、同クラスの重力制御だな、制御技術はエリアランツェの方が上のはずだが』

『お互いに本気で掛からねばならないということか』

『そうだ』


アラタとエリアスは、心中で手を組む。

同じ体ながら相容れない二人が、今共に戦うと決意したのであった。

ビットから放たれた消滅光を躱しながら、エリアランツェは再度ケテルへ攻撃を仕掛けるのだった。


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