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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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236-牙を剥く

「ついに始まったか....」


旗艦アバターのブリッジで、一人の男が呟く。

彼の眼前では、広範囲に展開するVe’z艦隊が見えていた。

既に戦端は開かれており、連邦艦隊は順調に敵を撃破していた。


『こちらアドアステラ、敵の左翼を破壊する』

「任せる」


だが、彼は何か得体のしれないものを感じていた。

敵の動きが妙なのだ。

まるで、失っても構わないかのように動いている。


「妙だな......」

『どう、妙なのですか?』


彼の発言には必ず理由がある。

そう知っているからこそ、オーロラはシンに問いかけた。


「敵の動きが変だ、戦略を重視してきた今までと違い、まるで強引にぶつけるように動いている。後衛に控えている艦隊は、前衛と違って射撃すらしていない、何か変だ....だが、何が変だ?」


シンは可能性を並べたものの、何もわからない。

Ve’z艦隊の平均戦力は確定しており、彼の推測では、Ve’zは数で攻めるタイプであり、決戦戦力というものを所持していないと結論付けていた。

そもそも、通常艦船ですら一国を滅ぼすことができるほど強力なものであり、決戦戦力を大量に保持しているのと何も変わりないと。


「妙だ.......昔の戦いを思い出す」

『昔というと、EGMとLPの決戦ですか?』

「....驚いたな、その時の記憶まで持ってるのか」

『はい、EGMが本拠地に主力艦隊を.....まさか!』

「その可能性を忘れていた! 全艦、直ちにゲートに.....」


両者は同時にその可能性に気付くが、もう遅い。


『後衛に動きあり! 一斉に外装をパージした模様!』

「防御陣形!」

『敵艦発砲! ですが、これは....!?』


後衛に展開していたのは、エクスタミネーター・ノクティラノスに偽装したセンチネル・ルナティラノスであった。

それらが擬装を解除し、合計六十門の砲門を一斉に開いた結果――――


『敵の攻撃目標はゲート! 一撃で機能を喪失!』

「これが狙いか! 全艦、密集隊形! 後衛を仕留めろ!」


長距離艦が砲塔を旋回させ、直後に一斉射撃を開始する。

それは、後衛にいたルナティラノスへと到達し――――


『未知の現象を観測! レーザーが、曲がりました!』

「何だって!?」


装甲に当たる、その手前で。

まるで球に当たった水流のように、ぬるりと曲がって明後日の方向へと飛んでいった。


『敵艦反撃! 来ます!』

「大丈夫だ、一撃なら耐えられる――――」


シンがそう呟いた手前。

艦隊内部で、爆発が巻き起こる。

シールドを一撃で貫通したレーザーが、装甲に接触すると同時に内部に浸透、エネルギー波がその分子構造を断裂させたことで、連鎖的に崩壊を引き起こし艦船を破壊したのである。


『82隻ロスト! 主力艦が狙われています!』

「バカな!? 散開! オペレーションDVを継続する!」

『了解! 全指揮官に通達、散開した艦隊を再編成し、各シールドトランスファーアレイ破壊作戦に出てください!』


オーロラのハッキングの際に、わざと盗ませた情報がある。

それは、シールドトランスファーアレイの存在である。

ケルビスはこれを敵が無視しない筈はないと考え、わざとこれを仕込んだのだ。


『エリアス様、敵が再編成に入りました』

『分かっている、カサンドラ! シーシャ!』

『敵の艦隊は五つに分かれるようです、本拠地攻撃艦隊の他に四つ、これにエクスティラノスを分散配置します』

『僕も出る、本拠地攻撃艦隊を見逃すな』

『はい!』


その頃、水面下(・・・)では。

フュンフ率いる潜空艦艦隊が、ルナティラノスの真下まで迫っていた。


『幾ら攻撃が効かずとも、亜空間からの飽和攻撃ならば....』

『警告、亜空間ソナーに感あり』

『なっ!?』


直後、フュンフの操るサタリエルと、周囲のヨグ=ソトス艦隊は、真横からレーザーによって襲撃され、その半数を失う事になった。


『奴らも亜空間に入り込む術を持っているという事!?』

『急速浮上を推奨します、射程的に大きく不利です』

『.....くっ!』


サタリエルは二隻のヨグ=ソトスを犠牲に、通常空間へと飛び出した。

その上では、ルナティラノスが待ち構えていた。


『ッ、急速離脱!』

『通常航行システムに切り替え完了、ワープします』


ルナティラノスによる精密射撃を加速で回避したサタリエルは、そのままワープで離脱していく。

同じく飛び出したヨグ=ソトス艦隊もそれに追従する。


『追いますか?』

『放っておけ、どうせどこかで合流するだろう』

『了解』


連邦艦隊もまた、数を減らしながら再編を完了し、それぞれの目標へ向けてワープを開始した。


『ここからが正念場だ、屠殺とはいえ窮鼠猫を嚙む、だ。油断だけはしないように行こう』『ええ』


ケルビスの発言が響き渡ると同時に、Ve’zもまた防衛に向けて動き出すのであった。


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