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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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233-調和の願い

「これは.....」


バイタルを閲覧した僕は、義体に異常がない事を確認する。

だが、まるで自分が自分から引きはがされるような感覚を覚えた。


「なんだ........重いぞ.....!」

「少し待て、特定する!」


頭が痛い。

久々の感覚だ。


『..........ガイ..........ダ?』


遠くで声が響く。


『オマエノ ノゾミハ ナンダ?』


僕はその時、何と答えただろうか?

答えは一つ。


『世界を平和に!』

『オオキ スギル』

『だったら、争いを調和する力を――――』

『ソノ ノゾミ カナエヨウ』


そうだ。

知識と、体感。

僕の中に根付く力が、互いに伸ばした手を繋ぎ合った瞬間、僕は能力を理解した。


「分かったぞ、僕の能力が」

「なんなのだ?」

「”調和”だ」


ニトのキネスが効かないわけだ。

僕はニトのキネスから受けた影響を、自分で打ち消していた。


「キネスの影響を打ち消すだけの能力…のようだ」

「ふむ、相性はいいのではないか?」

「そうかもしれないな」


少なくとも、戦場にキネス能力者が現れれば、の話だが。


「そうだ、キネス能力者専用の装備はあるのか?」

「.....無いわけではないが、必要か?」

「必要だ」


少なくとも、この調和の力.....性質を何かに生かせるような気がしたからだ。

僕は引き続き、ニトからキネスに対する説明を受ける。


「キネスは言った通り、現象回路が人体を貫き、不明な性質と同化した状態のことを言う」

「ああ、取り外しは出来ないんだな?」

「そうだ」


よくそんなものを取り扱えたな、とは思ったものの、現象回路は半物質と呼ばれるものらしく、直接手で触れるものではないのだそうだ。


「体内を透過した時点で、現象回路はキネスとして発露する」

「触れただけではならないのか」

「そうだ、そしてキネスは、ものによるが使用回数があるものがある」

「使用回数?」


それを過ぎれば、キネスは失われるのだろうか?

そう考えた僕だったが、それは少し違うようだ。


「一度の使用回数だ。現象回路はエントロピーを消費するため、本人の消費カロリーに依存しない力の行使ができるのだが......必ず現象回路の行使には、一度の限界使用回数が存在する。気を付けるのだな」

「ああ」


そう何度も使えるわけではないのだろう。

とはいえ、僕もそれは承知だ。


「盤面を覆せるものではないが.....だが、キネスの正体が分かっただけでも収穫か」

「力になれたか?」

「勿論」


そして僕は、表情をなるべく険しくし、ニトに宣告する。


「アルケーシアはもう滅んだ、変な気を起こせば即刻殺す」

「吾輩はここが気に入っている。でなければアルケーシアの情報など話さない」


釘を刺したが、さて。

どこまで有効だろうか。

僕は不安に思いながらも、庭園を後にする。


「待ってほしい」


その時。

ニトが立ち上がり、僕の傍に付いてきた。


「どうした?」

「その......この戦いが終われば、小生はどうなるのであろうか?」

「どうなるもない。いつも通り、何億年だろうと共にあるだけだ」

「な....なら、頼みがある」


頼み?

僕は何となく警戒していたが、その「お願い」はずっと穏やかなものだった。


「小生のクローンたちが精神的に成人し、それぞれの人生を歩めるようになるまで、ここで面倒を見てほしいのだ。無論、それを約束してくれるのであれば、吾輩は例え命を奪うと脅されたとしても、決して裏切らないと確約する」

「勿論だ、いつまでもいてくれていい」

「わかった」


そのささやかな願いを聞くためにも、まずは勝利。

一にも二にも、この戦いに勝利しなくてはならないな。


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