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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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229/295

229-虚空に響く声

そして。

エリアスの乗った星空雪車が、アロウトに入港した。


「これは.....すごいな」


星空雪車は、港に係留されている艦艇の間をくぐり抜けて飛行する。

勿論、全体の数に比べれば微々たるものではあるが.....

緊急発進用の新造艦である。

これまでのデザインとは大きく異なり、表面装甲によって薄鈍色に輝いている。


『お帰りなさいませ、エリアス様』

「ああ」


小型ドローンに導かれ、星空雪車はエリアス専用のドックに入港する。

そこに本来あるはずのエリガードの姿はすでにない。

エリアランツェも、まだ未完成である。


『ご旅行は楽しかったですか?』

「あ、ああ...」


カサンドラは真剣に聞いているのだが、それを皮肉と受け取ったエリアスは、若干の後ろめたさを覚えながらも言った。


「だが、実りある旅行だった。先史文明の遺跡からデータを回収してきたからな」

『本当ですか!?』

「Ve‘zの技術革新の元になった技術だ。これがあれば、更なる発展を望めるはずだ」

『早速解析いたします!』


カサンドラの返答を聞き、エリアスは胸を撫で下ろす。

だが逆に、カサンドラは別の感情でいっぱいいっぱいであった。


『(遊びに出られたというのに、成果を出して帰ってくるとは...流石エリアス様! この程度のことは児戯ということですね!)』


遊んで成果を出したエリアスに対し、自分たちは真剣に仕事をして成果を出していない。

そう解釈したカサンドラは、星空雪車の中にあったデバイスを回収、データを収集し始めた。

エリアスはコアブロックに戻り、そこで自分の記憶をバックアップに保存する。


「プロクレードが落ちたか」


そこでエリアスは情報を入手する。

スターゲートの状況や戦略データなどを閲覧し、今後の作戦を把握する。


「総大将が僕なのは納得がいかないな」


そこまで賢くもないのに、とエリアスは嘆く。

それでもコアブロックを後にし、次は居住区へと向かった。


「カサンドラ、エリスは今日は何をしてる?」

『現在はジムでトレーニング中です』

「わかった」


エリアスは階段を作り出し、上階へと上がる。

上がった方が楽だからだ。

そして通路を移動し、庭園を通って居住区の中央部へ向かった。

そこはタワー状になっており、生活に必要な施設がすべて揃っている場所に当たる。


「エリス」

「あっ、エリアス! 帰ってたのね」


トレーニングセンターに向かったエリアスは、そこでエリスに会う。

ランニングマシンのようなものの上で、息を切らして走る彼女は、マシンを停止させると、エリアスに向き合った。


「決戦が近いのね」

「ああ」

「......私には何もできないわ」

「それでいい」

「いいの?」

「勿論、助けてくれるのなら嬉しいのだが」


エリアスは本心からそう言っていた。

もしエリスが超人的な力を持っていて、アロウトに迫る脅威をおとぎ話の魔女が使う魔法のように、蝋燭を消す息のように消してくれればと。

だが、そうはならない。


「それより、エリアス......どう? ちょっとは筋肉付いたかしら?」

「元から筋肉があるから....僕にはわからないな」


エリスは上腕二頭筋を見せびらかすが、エリアスには依然との差異がよくわからなかった。

身体スキャンをすれば一目瞭然だったかもしれないが、そこまで不躾な事をする気は彼女にも無い。


「そう....残念ね」

「本当に筋肉をつけたいなら、Ve’zのデータベースから最適なものを....」

「いいわ。必成目標じゃないもの」

「そうか」


エリアスはそれだけ言うと、エリスと共に下へ降りようとした。

だが、その時。


『エリアス・アルティノス』


空間に声が響いた。


「誰だ?」


聞き覚えのある声に、エリアスは機敏に反応する。

だが、周囲に人影はない。


『庭園で待っている』

「分かった」

「....誰と話してるの?」


どうやら声は自分以外の誰にも聞こえていないらしい。

そう気づいたエリアスは、エリスに別れを告げると、一人で庭園へと降りた。

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