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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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227/295

227-乾坤一擲

『敵の超兵器を確認! B-ブロック21番隊壊滅!』

『フリートスワップを行います』

『アドアステラ、射線上から退避せよ!』


艦隊内の秘匿通信が飛び交う中、シンはコックピットの中で目を瞑っていた。

彼がいる場所は、艦隊の中で最も安全な場所だ。

だがそれは、アバターが落ちた時、という点でだが。


『出んのか?』

「まだだ、時が満ちていない」

『そう言っている間に敵がいなくなると思うのじゃが?』


シンは誰かと会話していた。

その間にも、第三次艦隊がワープアウトするとの旨がオーロラからもたらされる。

シンは素早くコンソールを操作し、アドアステラ、オギエル、ホドと前面に展開している者たちへの通信を待機する。


『第三次艦隊、ワープアウト』

「これは....!?」


シンは目を見張る。

第三次艦隊は、巨大な質量物であった。

だが、注目するべきはその表面。

夥しい数のVe’z艦が張り付いていた。


『どうしますか?』

「カル、ドライ、ゼクス! 聞こえるか!? 今こちらから送るルートから逸れるように艦隊を移動させろ!」


直後。

質量物――――フレイターノクティラノスのスラスターが点火すると同時に、表面に張り付いた艦が一斉にスラスターの噴射を開始した。

速度を上げて、大質量が迫ってくる。


『こんなっ、メチャクチャだよ!』

「こっちの陣形を崩す気だな、オーロラ! 散開して再編成! あの質量物を包囲する!」

『了解』


それから数秒もしないうちに、フレイターノクティラノスは艦隊に斬り込んだ。

そこでそれの役目は終わり、表面から離脱したドレッドノクティラノス艦隊がテンタクルレイによるオールレンジ攻撃を開始。

連邦艦隊はフレイターノクティラノスを取り囲むように球状陣を展開し、両者の目的は一致した。

『陣形を崩し、内部から防御陣を組ませない砲撃を行う』――――Ve’z艦隊。

『質量物による特攻を回避し、包囲攻撃で相手に逃げ場を作らせない』――連邦艦隊。


「やるな、Ve’z!」

『なかなかやるね、人間』


互いに聞こえないながらも、シンとケルビスはお互いを称賛した。

連邦艦隊内部では、通信が頻繁に飛び交う。


『艦載機は全艦着艦してください、砲撃に巻き込まれる可能性があります』

『こちらフュンフ、艦隊中央C-11ブロック側面に対して魚雷攻撃を行う! 近辺にいる艦隊を退避させてほしい!』

『こちらツヴァイ、委細了解しました。艦隊を退避させますので45秒後に攻撃を』


艦船の合間を縫い、蠅のような形をした機体が、援護中のドレッドノクティラノスに張り付き、電子戦によるセンサー妨害で援護を妨害する。

注意を引き、ドレッドノクティラノスによる射撃を華麗に回避しつつ、定められたポイントまで誘導する。

そこに、遮蔽を解いた爆撃艦隊が現れ、魚雷による一斉射撃でドレッドノクティラノスを撃沈した。

再び遮蔽して消えた爆撃艦隊の間隙を縫い、亜空間から魚雷が飛び出してドレッドノクティラノス四隻を灰燼に帰す。


『AOIを使用したい!』

『駄目だ、混戦すぎる!』


数々の最終兵器が、この球体陣の形成によって阻害されていた。

そういう意味では、Ve’zの企みは半分成功していたといってもいいだろう。


『第四次艦隊を送り込む』

『正気ですか? まだ戦況は.....』

『ここで仕掛ける、ここで少しでも数を減らすことが肝心だ』


そして。

Ve’zも、間髪入れずに第四次艦隊を送り込んだ。

ドミネーターノクティラノスとエクスタミネーターノクティラノスの混成艦隊に、旗艦として唯一残ったとある艦を混ぜ込んだ艦隊である。


『あれは.....ジークエクスティラノス!? まさかケルビス!』

『ああ、新規製造艦を使おうと思ってね。古いのは処分することにしたのさ』


艦隊は球状陣に突っ込むようにワープアウトし、すぐさま散開。

球の外周部、自然と防御の薄くなる箇所にかけて砲撃を集中させた。

ジークエクスティラノスの変形機構はエリガードの後継機に移植されているため、エクスティラノスと言えどもドミネーターノクティラノスに毛が生えた程度の性能である。

それでも、その姿は――――


『目立つ、それが全てだよ』


ジークエクスティラノスが加速する。

それと同時に、ジークエクスティラノスに向かって砲撃が集中した。

ジークエクスティラノスの後を追い、ドミネーターノクティラノス艦隊も動き出す。

球にリボンを絞めるような光景となり、艦隊が間延びしたことで被弾面積が増加、同時に射線が大きく開く。


『敵も本気だ、これくらいやらなければ疑われる』


ケルビスはそう言いつつ、口端が歪んでいるのに気づかなかった。

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