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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(2/3)-『真実』編

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225-帰還

『その答えに、嘘はないと信じましょう』


僕は返答を返し、彼女は頷いた。

すると彼女の体が消えていく。


「消えるのか?」

『いいえ。もとより、原初の世界...「花畑」の住民は偽りの体という器に棲まう霊体のようなモノ。好きなように形を変え、何か親和性の高いものに宿る事もできます』

「そうか」


終わりはないのか?

そう問おうとした僕は、それは欺瞞だと気付く。

僕自身も、終わりのない存在だからだ。

終わりのない存在が、終わりを告げるときは自ら終わりを選択した時。

彼女に罪の意識はあれど、終わるつもりはないのだろう。

こうして、過去の連鎖に今を生きる者たちが触れる前に現れるために。


「貰っていく」


僕はモノリスのような媒体に触れた。


『愚かなる蛮族に制裁を下す者に この技術は力を貸すだろう マグノリア・ディース』


そんな文言が表示されたのち、触れた場所の下部が開いてラックのようなものが姿を現した。

そこには六つの少し厚みのあるカードが収められており、プッシュ・イジェクト機構を持っているようで押し込めば飛び出してきた。


「間違ってはいないな、悪いが借りるぞ、マグノリア」


愚かなる蛮族を滅ぼすために使うのは変わりない。

僕は六つのカード全てを取り出すと、それをそれぞれ触手で持つ。

そして、遺跡を後にする。

水から上がり、機械に話しかけた。


「戻りたい」


その言葉通りに、僕は地上へと戻ってきていた。

背後を振り返れば、星空雪車が見えた。

僕は砂に足跡を残しながら、雪車へと戻る。







「これは.......凄いな」


僕は呟く。

六つのカードに分けられていたが、内容は三つのカードが本体であり、もう三枚はそのバックアップだった。

この宇宙全体の地図や、惑星の詳細など、本来調べようがない情報。

デフォンが持っていなかった分の兵器のデータなど。

そして、その前提となる膨大な知識データがそこに収められていた。

Ve’zが辿り着けなかった高みは、異常な存在という特異点によって生み出されていたのだ。


「だが、それを実現する時間はないな」


せっかく入手したデータだが、コレを実用化する技術を確立するためには既存のスキルツリーとの


技術ツリーを伸ばす時間はない。

すでに計画は始まっているからだ。

星空雪車が既知領域に辿り着くまであと三日、その後は絶え間ない防衛戦である。

比較的理論が実証されているものは利用できるだろうが......


「だが、問題はない」


何故なら、Ve‘zは禁忌技術を開放した。

こんなものが無くても勝つことは容易だ。

連邦がどんなに強くとも、アレが起動して仕舞えば全ては終わる。

最終手段ではあるものの、勝利を目的にするのであれば...だが。


「今頃はプロクレードか」


僕は呟く。

プロクレード星系にて、最後の防衛戦が行われる。

現在量産中のロットではない、ファイナルナンバーを用いた物量作戦だ。

全ては敵を誘い出すための一手。

だが、敵も馬鹿ではないと今までの戦いから気付いている。

だからこそ、次の戦いはより緻密で、慎重なものになるのだ。


「そうなると、帰還ルートは........コジャスラの放棄ゲートを再利用するか」


プロクレード星系のあるラジュリアナコンステレーションとは反対に位置するバザリアッグコンステレーションに存在するコジャスラ星系。

そこには今は使われていないヴェリアノス行きのゲートが隠されている。

本来はヴェリアノスに”行く”ためではなくヴェリアノスから”逃げる”ためのゲートだが......


「逃げる必要はない、僕たちは」

『私たちは――――』

「『エリアス・アルティノスなのだから』」


僕とエリアスの言葉が交差する。

星空雪車が加速し、再ワープへと入る。

帰ろう、ヴェリアノスへ、アロウトへ。

決戦の地へ。


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