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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(1/3)-『探求』編

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209/295

209-遺跡の正体

翌朝、日が昇る頃。

僕は信号の発信地点に向けて出発した。

村からも少し距離がある、小高い丘の裏側あたりから発信されているようで、僕は夜明けの風が吹き抜ける草原を一人歩く。


「まったく...丁度いいスペースがあるように見えるんだが...なんでここに着陸しないんだ...?」


僕は疑いを持つ。

星空雪車のオート着陸設定で、信号の発信地点から離れた場所に着陸したものの...

昨日、星空雪車を呼び戻してみたところ、着陸してくれなかったのだ。

回収はできるようなので、色々と試してみたが...どうやら信号の発信地点から半径26kmの円周範囲に着陸できないようだ。

ここに何かある。

僕でなくても、気付いたはずだ。

しょうがないので、星空雪車は上空に待機させたままにしている。

もしこの星の何処かに航空戦力があれば、シールドがある間に回収されなければ救援を呼ぶ羽目になるな...


「しかし...ここに、何があった?」


信号の発信地点は遺跡、それも空から落ちてきたという。

ここに着陸できなかったのは、ここが都市だからなのか?

いや、異常な金属反応は観測されなかった。

それに、空から落ちてきたという事象が口伝で残っている以上、ここにあった『何か』が滅んだのは、遺跡が落ちてくるより前の事という事になる。


「考えても無駄か...」


僕は斜面を登る。

唐突に自然が途切れ、生気のない赤土が斜面を覆っていた。

そこを苦労して登った後、村人が使うものであろう通路を見つけてへこんだのは内緒だ。

裏側に回り込んだ僕は、岩盤が迫り出すようにして視界を塞いでいるのを見た。

どうやら、裏側に回った後、更に降りないといけないようだ。

下は崖になっており、下からも上からも見えにくい場所にそれはあった。


「これが...!」


遺跡。

僕はそれを見て、確信した。

こいつはコロニーやステーションのような構造物なんかではない、宇宙船だ、と。

墜ちた後も、ほとんど損傷がない。

内部に侵入できる経路が露出していないため、僕は入口を探す。

入り口はすぐに見つかった。


「...死者の、門...終わりなき、終わりを探求する者だけが...この扉を開くであろう...か?」


それは、船の下部にあたる部分の、蝶番が壊れて開いたハッチの中にあった。

すぐ側には、まだ新しい青い顔料で、そう書かれていた。

この場所は、本当に彼等の信仰の地のようだ。


「ならば、破壊するのはやめておくか」


内部のシステムが生きていればいいが。

僕は制御盤に手を翳し、内部のシステムに思考接続してハッキングを試みる。


「...弾かれた、だと?」


あり得ない事が起きた。

思考接続が、弾かれた。

Ve‘zだけが突出した技術の筈のそれが、いとも容易く阻まれた。

この船、ただの文明の残骸ではない。

いや先からやってきた、遥かなる時代の遺産なのだ。

そして、その遥かなる時代は...Ve’zなど、小国以下の技術力だったのだろう。


「なっ、開いた!?」


どうやって入ろうかと思案していた僕だったが、唐突に扉が開いた。

内部の照明は生きているようで、その先には通路が見えていた。


「行くしかないか...」


怪物の口の中へ飛び込むような面持ちで、僕は船の中に足を踏み入れた。


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