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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(1/3)-『探求』編

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208-アルティノスさんちの今日のご飯

石碑を調べた後、僕は夕暮れが近いことを察した。

村に滞在してから石碑を調べた時間を加味しても、そろそろ夜になる頃だろう。

そういうわけで、野営である。

エネルギーブロックはあるが、せっかくなので現地の食事をしてみるのもいいだろう。

そう判断した僕は、早速行動に出た。

全速力で森に入り、見敵必殺で大型の動物を仕留め、そのまま退く。

スーツに内蔵された野営キットで血抜きを済ませ、その脂で固形燃料を生成。

肉だけを切断し、燃料で炙って食べる。

その際、村人から貰った練り物を齧る。


「なるほど、保存食の一種か」


齧ろうとしたが、食べられたものではなかった。

火で炙り、柔らかくすることが前提のようだ。

前世で言う、餅のような食べ物だろうか?


「こっちはこっちで、鶏肉のようだ、...」


前世では“Tastes like chiken”という言葉があった。

味の感想に困る肉は全て、このような感想で言い表せるという。

謎の生物の肉はパサパサとしていて、何かの臭いがとてもきつかった。

嗅覚を切って、もそもそと食べる。


「野生動物となると、やはりこんなものか」


人が食べるために調整された種や、加工された肉であればこんなに食べにくいという事はない。

僕は改めて、自分が今まで調整された世界の中で生きていたのだと実感する。


「寒いな...」


この義体は寒さを感じないものの、体温変化のポップアップは視界に表示される。

風が強く吹き荒んでいる。

どこかから吹き下ろしている風は、あの松の木のような樹のある森を抜けて、村を超えてここまで到達するようだ。

なるほど、毎晩直撃を受ければあんな風に枝が曲がるようだ。


「調整された環境か...」


思えば、遠くまで来たものだ。

アロウトまで戻れば、適温かつ無風、適切な酸素環境が当然のように提供され、食事にも困る事はない。

だが、ここではそうではない。

僕はVe‘zという強力な勢力の支配者ではなく、人間より多少強いだけの、大自然という荒波に呑まれる木の葉のような存在だ。

僕たちは決して強力ではない。

どんなに強くとも、世界の理の前では...矮小だ。

だからこそ、アロウトを捨てるという選択肢は間違っているのかもしれない。

だが...


「このままでは何も変わらない、それはお前もわかっているはずだ、エリアス」


僕は一人呟く。

僕はペルソナに過ぎないのだから。

Ve’zが抱える根本的な問題は、もっと根深い所にある。

現状を変えなければ、何も変わる事はない。

僕は目を開けたまま、夜が去るのを二人で待つことにした。

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