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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
終章(1/3)-『探求』編

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204/295

204-惑星探査も楽じゃない

プロミアスを旅する僕は、この惑星の目新しい点にいくつか気付いた。

まずは天候。

密林であるにも関わらず、高温多湿という訳ではない。

雨も少なくともこれまでは一度も降らず、時たま雲が見えるものの基本的には快晴である。

次に動植物。

この森林には、先ほどの毛皮の大型生物といい、本来の生態と生息域が噛み合わない生物が住んでいる.....ように見える。


「まあ、仮にそうだったとして、この過酷さはそう変わらないが」


僕は今、岩山を登っている。

上空からは見えなかったが、森は少しずつ傾斜しており、最も低い場所に壁の様に長く聳え立っていたのがこの岩山だった。

触手で岩棚を掴み、僕は少しずつ上に上がる。


「成程、登ろうとする生物は飛行生物の餌食か」


時折襲い掛かってくる大型の鳥を回避しつつ、僕は岩山の天辺にまで到達する。

そこから景色を見下ろせば、森の切れ間が遠くに見えた。

何故そこに着陸しなかったのか、僕にはすぐに分かった。


「一難去ってまた一難…か」


森を過ぎた先には、集落が見えていた。

どうやら、人間…かそれに類する者が、この惑星には生息しているらしい。

僕は岩山を一気に飛び降り、向こう側へ着地する。


「こっち側は沼地ではないのか」


沼地は岩山の壁の向こう側だけで、こちら側には普通の地面が広がっていた。

木々の間をすり抜けるようにして、僕は移動を続ける。

スキャン装備などを持ってきていないのが悔やまれるが、準備不足を悔いる程無価値なこともこの世にはない。


「植生が変わったな」


こちら側は松の木のような、強い風で抉れたような木々が多い。

しかしながら、強風の気配は無く、空気も澱んでいて風の通る気配がない。


「全く、どういう気候でこうなるんだ...?」


僕は疑問を浮かべつつも、ただ進むしかないという事を理解していた。

この惑星について調べる必要は無いからだ。

あの集落の中か、向こう側から発せられている信号――――それの正体を突き止める、それだけでいい。


「とはいえ、この義体(からだ)で良かったな」


沼地の反対側と違い、こちらの方が湿っていて不快感を感じる空気だ。

もし人間のままだったら、スーツの下は汗でじっとりとしていたと思う。

道も最悪だ、車両で通れるような道ではない。


「もしここを抜けるとすれば、間違いなくパラダイスロストで吹き飛ばしたほうが早いな」


湿り過ぎて、燃やそうにも火が付かないだろう。

しかも、湿った木の皮は刃を通しにくい。

単分子ナイフが必要になるな。


「とはいえ......」


この惑星は綺麗だ。

何者の悪意にも晒されていない。

まるで削る前の宝石のような。

削り磨くことで、人の好む美しさになるとしても――――無垢な輝きは、荒んでいた僕の心に優しく感動を与えていた。

移住先に考えても......いいや、


「まずはあの集落に行ってみなければ」


敵対的な種族かどうか、確かめてからでも悪くはないはずだ。

僕は森の切れ間、そこから漏れる光へと向けて進むのだった。

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