200-身勝手な逃避行
さて、どうしたものか。
本拠地襲撃は失敗し、真面目に揃えた艦隊は自爆。
メッティーラ達も同様だ。
あの星系ではワームホールは大きな質量を転送できるほど大きく作れない。
ただし、ナルだけはワームホールで逃げて来たらしいが.....
『これからどうされるのですか?』
「決まっている」
今回は僕が足りない頭でエクスティラノス達に割り込んだから負けただけだ。
転生者らしい相手だけ生かせばそれでいい。
だからこそ、僕には出来ることをやるしかない。
「これから先の計画は、カサンドラ。お前に一任する。僕ではどうにも上手くいかない。任せた」
『分かりました...ですが、エリアス様はどうされるのですか?』
「僕か?」
当然、決まっている。
「旅行に出る」
『行ってらっしゃいませ』
旅行に出るというのは、勿論嘘だ。
僕のオリジナル体を使って、エリス達と一緒に逃げる惑星を探すためだ。
この戦いは勝てなさそうなので、移住先を探す。
『ご旅行でしたら、私めがご同行いたしましょう』
「いや、いい。僕一人で行こう」
『...良いのですか?』
「ああ」
知的生命体がおらず、人類が生存可能で、かつ連邦に見つからない未探索領域を探索する。
それには、勘のいいエクスティラノス達は邪魔だ。
だが、僕一人であれば気楽だが、それは一つのことを彼らに押し付ける事にもなるだろう。
「...皆、エリス達を頼む」
『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』
僕は壁を変形させながら、アロウトのコアルームにアクセスする。
そこで、宝物殿から運び出してきていた船のデータを見る。
それは『星空雪車』と呼ばれているもので、惑星ディナスⅢの遺跡にあったものだ。
操縦系がVe‘zのものに置き換えられているものの、その凄まじい航行速度があれば星間航行をゲートなしで可能だ。
未探索領域にゲートはないからだ。
「少し旅に出る、待っててくれるか?」
「え? うん、いいわよ。いつ帰ってくるの?」
「...まだ分からない」
エリスとも話をしておく。
「.....いつ帰ってきてもいいわよ。....だから、絶対に帰って来てね」
「ああ」
僕はエリスに見送られて、旅立つ。
......ちょっと負け続きで気まずいので逃げるという訳ではない。
全てを捨ててエリスと一緒に逃げるために、僕はアロウトを旅立つことになるのであった。
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