194-両軍膠着! 連邦のEC部隊を撃滅せよ!
Ve‘z艦隊がワープアウトすると、そこは妨害フィールドのど真ん中であった。
だが、全員に混乱はない。
それよりも、状況がかなり拙い、そちらの方に気を取られていた。
妨害フィールドは、艦隊をしっかり囲むように張られており、艦隊は岩塊の影に潜んでいる。
レーザーで岩ごと貫けるが、旗艦の位置が特定できない。
そうしている間にも、岩塊の影から無数の機影が迫ってくる。
『迎撃します』
シュマルとスナイパーノクティラノスが、無数に迫ってくる機影を捕捉する。
人型の機体と、戦闘機型の何かの混合編隊である。
『まずいな...拙者らは対小型の迎撃装備を有していない、接近されれば面倒だぞ』
『スキャンキャンセラーは使用できません、友軍との距離が近すぎます』
シュマルの装備しているスキャンキャンセラーは、味方のセンサーも妨害してしまうためだ。
『仕方あるまい、ドレッドノクティラノスは全機、『ハンター』展開』
『コヴェナント、発射シーケンスに移行。射線確保は不要です』
シュマルの機体左右側面に、光の粒子が集う。
超兵器を発射し、敵に反応させる目的である。
『アインス様、敵艦隊中央部に高熱源反応』
『同じ手は食いませんよ、全艦P.O.D.S展開!』
直後。
旗艦を中心に波動が広がり、それを受けた艦のシールドが赤色に発光する。
岩塊を吹っ飛ばしたコヴェナントは艦隊に直撃、しかし貫通しない。
まるで激流が壁にぶつかるように、するりと艦隊の間をすり抜けて霧散していく。
『敵、コヴェナントを無力化。砲撃は無し』
『コヴェナントで敵機体の攪乱を頼む』
『了解』
コヴェナントが再充填され、接近してくる機体群にその矛先が向けられる。
そして直後、膨れ上がる光。
二発のコヴェナントがバラバラの方向を撃ち、小型機体編隊を薙ぎ払う。
『こちらケルビス、敵のシールドの性質が判明した。P.O.Dと同じく、粒子の結合を排除するもので、接触した物体を性質に関わらず分解するフィールドだ....ただし、P.O.D以外で攻撃することは出来なくなるそうだ』
『了解した』
敵は引き撃ちではなく、艦載機を発進しての持久戦に持ち込んだ。
そう判断したジェネラスは、ドレッドノクティラノスの放ったセントリードローン『ハンター』を広範囲に展開、向かってくる艦載機を迎撃する。
『エスクワイア隊・フルークリッター隊共に交戦状態に入りました』
『P.O.D.Sのエネルギーは?』
『残り32分です』
『了解』
敵艦隊内部で通信が飛び交う。
スキャン波が遠くまで届かない以上、艦隊の次の手は決まっている。
ただ、連邦艦隊司令のアインスにはその覚悟を決められないというだけである。
『側面四機! 肉薄されています』
『ドレッドノクティラノス、フェイントをかけて射線を限定せよ、十字砲火で仕留める』
奇しくも、Noa-Tun連邦とVe’z。
両側は粉砕された岩塊を挟んで座陣、持久戦へと持ち込んだのである。
『通信繋がりました』
『了解。これより作戦宙域にワープする』
そして。
アドアステラが率いる後続が、前衛の支援のためにゲートより現れる。
戦いは早くも、決しようとしていた。
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