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167-変則戦術!

『厄介ですね.....』

『ケイトリン、気負う必要はないよ、自然体で構えるんだ』

『....あなたに言われなくとも』


凄まじい荷電乱流の中で、ケルビスたちは薄金色のオーラを纏って戦っていた。

厳しい環境の中で、エミド側はそれに対策せずに戦闘を続行していた。


『この艦隊を突破さえすれば、私たちはあの基地を破壊する事が出来る』


基地は既に荒廃していた。

その様子を見たエリアスは、


『恐らく、基地は破壊されたが内部の電源は生きている。そして、エミド側の中央演算システムから分離された個体たちが、独自に活動しているのだろう』


と分析した。

だが、正確には星系内の指揮を行っているのは、第四十船団の旗艦である。

今までの例と異なり、どの船団長も一切通信を行わずに戦っていた。


『来るね!』

『ケルビス、お願いします』

『ああ』


ケルビスが触手でケイトリンと合体し、彼女の代わりに姿勢制御を行う。

ケイトリンの乗艦が白き翼を広げ、エミド艦隊に対してエナジーバニッシュフィールドを展開する。


『どれほど奪いますか?』

『奴らのシールドが維持できなくなればそれでいい』

『ええ』


エネルギーを消失させるフィールドを展開するエナジーバニッシュフィールドだが、次の瞬間――――――――


『なっ!?』

『回避されました、座標を再指定』

『ダメだ。奴らは回避に推力を使っていない、ランダムな流れに乗って回避している』


ケルビスは改めて、敵の変化に感心していた。


『それならば、貴方の方が適任なのでは?』

『無理だね、この激流の中で散布物は利用できない』


ケルビスの圧倒的な数のダウンレイを操作する性能は、この荒れ狂う空間ではまったく意味をなしていない。


『エリアス様、ラエリス艦隊を派遣していただけませんか?』

『待ってくれ、現在ワームホールの結節点に異常が出ている。異次元転換砲で再度回廊を開く』

『はっ』


増援は望めない。

そう確信を得たケルビスは、作戦指揮を行っているカサンドラに尋ねる。


『君の事だ、プランBを用意してるのだろう? プランBは?』

『ありませんよ、そんなもの.....しかしながら、エミド艦隊もそれなりに消耗しているはずです、こちら側に引き込んで、エナジーバニッシュフィールドを使うのはどうでしょう?』

『味方を巻き込むと?』

『その直後に、私がカイザーコマンドを使用すれば、エミド艦のみを沈黙させられます。その間に推力を切れば、押し流されたアサルトノクティラノス艦隊は離散、エミド艦隊の射程外に抜けられるのでは?』

『ふむ』


ケルビスは、笑った。

興味深いと。

そして、エリアスに判断を仰ぐ。


『直ぐに増援を送る、失敗を恐れずやって見ると良い』

『はっ』


ケルビスは、笑みを浮かべたまま、指令を下す。

陣形を崩し、敵艦隊を内部に引き込めと。

エミド艦隊は、圧力が減ったことで内側に入り込み、Ve’z艦をP.O.Dで攻撃していた。


『射程範囲内に入りました、エナジーバニッシュフィールド展開』

『全艦、機関を最大出力、推力切断せよ』


エネルギーを消失させる強力な波動がエミド艦隊を襲い、エミド艦隊はエネルギーを失って離散する。

それと同時に、カイザーコマンドがケイトリンから放たれて、エミド艦隊は電子システムに深刻な異常をきたす。


『貴様たちに、我が主に代わって天罰を下す――――さぁ、破壊せよ』


流されていたアサルトノクティラノス艦隊が、一斉に推力を最大へと変えて姿勢を維持。

シールドの消えたエミド艦隊にレーザーを叩きつけた。

穴だらけになったエミド艦隊は、荷電乱流の直撃を受けて崩壊、離散していった。


『さあ! 全艦、基地のシールドを破壊するんだ!』


ケルビスの指令を受け、Ve’z艦隊は再びオーラを纏って動き始めたのであった。


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