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149-殲滅の余興

「つまらないな」


僕は呟く。

その声に反応して、カサンドラが血相を変える。


『え、エリアス様! 何か不都合がございましたか!?』

「いや.......」


見世物だとしても、これは三流だ。

だって、


「TRINITY.側が弱すぎる。彼らはエミドから回収した超兵器を持っている筈」


何故使わない?

防衛艦隊には、TRINITY.側が本来持つ強力なレーザー兵器が積まれていない。

各地に存在する警察の乗っている艦には標準搭載されているはずだ。

まあ、あったところでこちら側のシールドは常にアップデートされている。

旧型の兵器が通じる筈もないが、しかし少しなら余興にもなり得る。

このままでは、メッティーラが可哀想だ。


『通常戦力は奥地に隠しているのでは?』

「なら、吐き出させるか?」

『いえ、面白い余興を用意しております』

「?」


また僕の知らないことをしている。

そう思っていると、目の前にモニターが展開された。


『充填率:98.88%』

「これは?」

『お楽しみまでの時間です』

「.....」


Ve’zの超越したエネルギー技術を以てしても、充填に時間を要する何か....?

また、宝物殿にある兵器を持ち出したのか?


「........また、エリスに怒られるだろうか」

『全力で秘匿いたします。現在エリス様には、アガンジャⅢに観光に行ってもらっておりますから』


アガンジャとは、Ve’zの星系の一つだ。

太陽系に比較的近い環境だったか?


『充填率:100%』

「では、始めようか」


僕はさっと立ち上がる。

そして、なるべく優雅に、命じる。


「やれ」

『イエス。』







その瞬間。

マスタリオン星系は、過去類を見ない最悪の災害に襲われた。

時間と空間の概念が、星系の中央から巻き起こった巨大な重力崩壊に巻き込まれて一時的に消滅したのだ。

ねじ切られた空間を、時間の連続体を維持する世界という名の歯車は、無理やりに修復させようとする。

だが、


『成程、こういう事か』


時の歯車が動き出すその数刻の間に、エリガードと繋がったエリアスはシステムを操作する。

世界は、フィルムの一枚を引き抜かれると、その前後を見て修復を開始する。

だが――――その前後のフィルムを書き換えれば?


『余興、ではないが』


時間という歯車は動き出し、

空間は何事もなかったかのように元へと戻る。

しかし。

TRINITY.が撃っていたはずのレーザーは、発射源を失って消滅した。

アサルトノクティラノスが、さっきまで存在していたはずの対象を失い、困惑を露にした。


『え、エリアス様....!? こ、これは?!』

『心配ない、カサンドラの用意した仕掛けだ』

『さ、流石はエリアス様....!』


エリガードとの接続を切ったエリアスは、少し考えたのち。


「よし、封印しよう。手に負えない」


と、呟いたのだった。

マスタリオン星系は、TRINITY.が掌握していたという既成事実が完全に消滅したことで、攻略という事に至った。

また、この事態を引き起こした装置は、エリアスの手によって量子の海に叩き落されたのであった。


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