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146/295

146-伝播する戦乱の波

アルギゴイネン襲撃。

その事件のニュースは、あっと言う間に世界各地を駆け巡った。

それだけではない。

エミド勢力にも異常が発生した。

急に、通常空間に存在していたエミドたちが撤退を始めたのである。

だが、一般の人間たちの関心は別の事に向けられていた。


「なあ、TRINITY.が攻撃されたって事はよ.....」

「世界最大の戦力がもう怖くないってことだよな」


眠れる獅子は破られた。

それは即ち。

世界の秩序が、敗れる。

それだけではない、エミドも撤退を始め、秩序を守るものはいなくなった。


『速報です! ジスティカ王国が我が国へ攻め入りました!』

『ホーエンティア帝国とキロマイア皇国の交戦が開始されたとの報告が入りました』


欲望が、制御を失っていく。

国同士の結びつきは、TRINITY.による制裁を恐れて初めて維持されていたものだ。

それが、TRINITY.の信用が落ちたことで崩壊を始めた。

最初は、上層部だけ。

次に、民衆が。

積み重なった不満は、やがて戦争の狂気へと。


『これは一体、どういう事ですか!?』

『どうもこうもあるまい、もう貴様らは信用できんという事だ』

『手のひらを返すという事か、卑怯者が!』

『黙れ! 何百万死んだと思っている? あの男の甘言に乗せられて!』


TRINITY.が開いた緊急会議では、結局のところ紛糾する結果に終わった。

各国家は、Ve’z領域への出兵で疲弊しており、その不満は戦争にくべられて、より大きな炎へと発展していた。




「.......」

『流石はエリアス様ですね、こうなる事を見越していたのですね』

「いや、提案したのはお前だろ....」


まさかこんな結果になるとは。

ちょっと突いて、TRINITY.を滅ぼすついでにVe’zに逆らおうとする勢力を脅そうと思ったのだが.....

これは、Ve’zへの敵対行為どころの話ではない。

凄まじい速度で戦乱が加速しているのだ。

唯一、オルトス王国だけは隣国のビージアイナ帝国がNoa-Tunという勢力に乗っ取られたことで戦火から逃れているが......しかし、攻められるのも時間の問題だろう。


『私は、エリアス様が求められた計画を提案したまででございます。このような結果を招くことを予見しておられたとは思いませんでしたが.....』

『凄いッスねえ......』


シュマルまで驚いていた。

この誤解はおそらく解けないな。

ならば風化するまで放置するまでだ。


「しかし........どこまで腐敗しているんだ? この組織は」


隠されたアウトポスト。

その中には、無数の変異した人体が保管されていた。

データベースは、ヒトおよび近縁種の変異データや、逮捕した科学者を運用して実験を行っていた事を裏付ける情報が載せられていた。


『不快ですね......不確かな情報をもとに実験を繰り返す。それは、科学というものに必要不可欠であるのは確かです、しかし――――知能もない猿のように、裏付けもなく実験をして放棄など.....』

「全くだ」


だが、保護するという訳にもいかない。

なので、丁重に葬らせてもらう。

どこかへ追いやるわけでもなく、前哨基地ごと焼き払う。

その形で。

――――こうして、「TRINITY.への初期攻撃に対しての反応を確かめる会」は終わったのであった。


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