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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン6-Ve’z同盟軍対TRINITY.連合軍戦線

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125/295

125-狩人たちの戦場

「クソッ....!」


分隊長は、コンソールを叩いた。

司令官不在の状況で、副司令は襲ってくるVe’z艦隊に対して、全艦隊に分隊長を割り振り逃走させることを選んだ。

そして、第221番分隊長に命じられた彼は、なんとか艦隊を退避させたところであった。


「雑魚なんかじゃなかった.....」


ブリッジに声が響く。

この艦のレーダー係である女性が発した声が。

絶望している。先ほどまで、ノリノリで敵を追い詰めていた彼女がである。


「ふざけんな、俺たちを利用したってのか」

『こ.......ら! 第3.......接敵............全滅――――――』


ローカル通信がブリッジに響き、破壊音と共に途絶する。

状況は絶望的であった。

退路もいつの間にか断たれており、分散した艦隊に出来ることはただ逃げる事だけ。

だが、


「エース艦隊も全滅したのに、俺たちにできる事なんてあるのか?」

「それでも今はお前が分隊長だ」

『.....頼りにしています』


味方からの通信を受け、彼は艦隊のオーバービューをチェックする。

最初は七隻いた艦隊は、二隻が落とされ五隻となっていた。


「大破が1、中破が4、無事なのはこの艦だけか....」


指揮系統が滅茶苦茶になった影響で、TRINITY.艦が一隻、ジスティカ王国艦が三隻、オーベルン神聖連合艦が一隻という状況になっていた。

旗艦はジスティカ王国の艦であり、彼を庇って沈んだ艦はTRINITY.とオーベルン神聖連合の艦であった。


『指揮するものが居なくなれば、皆の命運も尽きます。未来を――――よろしくお願いいたします』

『神は正道を歩めと仰いました。分隊長、貴方の為に殉じる事こそ我が定めだったのです』


二人の末期の言葉を思い出し、彼は震えた。

そして、恐怖がやってくる。


「.....ワープアウト反応あり! 数、3!」

「全艦、戦闘準備!」


彼は全艦に指示を出す。

ここにピンポイントで飛んでくる少数の艦船など、敵以外ありえないからだ。

だが、


「味方だ! 攻撃中止!」


飛んできたのは、ボロボロになったTRINITY.艦二隻とキロマイア皇国艦一隻であった。

慌ててスキャンするが、既に生命反応は数人分しか残っていなかった。


『.......そちらは、味方か?』

「そうだが.....」

『頼む、逃げてくれ....奴らは、俺たちの仲間を回収している、死んだ奴も生きたやつも、例外はない......頼む、俺たちの事は気にするな....!』

「そういわれても....」

「新たにワープ反応、1!」


その時、ブリッジに報告が響いた。

そして絶望が訪れる。


現れた艦艇は、全員の予想を裏切るものだった。

巨大なカーゴを抱えた戦闘艦と言った様相で、触手型砲塔を備えていた。


『あ、あれだ! あれが俺の仲間たちを....!』


直後、その艦から無数の小型機が発艦する。


『逃げろっ!』


そして、221分隊の者たちは見た。

小型機が敗残艦に纏わりつき、装甲を貫通して内部の人間を回収していく姿を。


『くそっ、化け物が!!』

「待て、CR-021! 勝手な行動は...」


その時、艦隊の一隻....TRINITY.艦が攻撃した。

攻撃して、しまった。


『ぐわああああっ――――』

「CR-021!! CR-021!!」


Ve’z艦の放ったたった一撃の砲撃で、中破していたとはいえTRINITY.艦はシールドと装甲を抜かれて轟沈した。

彼は一度も見たことがなかった、レーザー砲が、艦を貫通して突き抜けていく所を。


「全艦に告ぐ! 撤退せよ!」

『了解!!』


艦隊は即座に反転し、ワープで離脱しようとする。


「ワープエネルギー確保、いつでもワープできます!」

『こちらBR-111、ワープドライブが安定しない、敵に何かされている! ......私たちの事はいい、逃げてください!』

「分かった、協力....感謝する」


そして、更に一隻を置いて艦隊は離脱した。

結局この艦隊も、一隻ずつすり減らされて全滅するのであるが......

それは結局、この星系での戦闘において......一般的な事であった。


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