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124-豸亥、ア

ジジルト星系、カイア星系では、片方の惨劇も知らず、艦隊が陣地を構築していた。


「最近、変だよな」

「何がだ?」


そして、その中のジスティカ王国側の中型艦の艦内にて。

一人の男と、その友人が会話をしていた。


「侵攻開始から二週間経ったけどよ、どうももう片方と連絡がつかないんだとよ。定時連絡はしっかりしてるのに、途中から支離滅裂な事を言い出すらしいんだ」

「何で撤退しないんだ?」

「それが、本部に問い合わせても似たような状況で......状況が改善するまではどうしようもないんだとさ」

「そうか......」


そして、その艦は機関を始動させ、他の艦と合同で哨戒任務に出る。

センサーを最大にして、敵の接近を察知するのである。


「Ve’zって、もっと強いもんだと思ってたのにな....」

「ああ、正直、故郷に残してきた遺書が恥ずかしいぜ」

「そこ! 私語は慎め!」


艦隊は通常の巡回ルートを進み、赤色巨星の付近を通過する。

飽きてきた男は、つい欠伸をした。

次の瞬間、赤色巨星が一度だけ強く光を放った。


『何事だ!?』

「状況報告!」


光はすぐに収まり、艦隊のローカル通信は騒がしくなる。

だが、何も影響は及んでいないようで、クルーたちは安堵する。

それも、つかの間の事だったが。


『いや....待て、我々は七隻だったか?』

『B-22が消失した! 応答せよ、B-22!』


八隻の構成だった艦隊は、いつの間にか七隻になっていた。

艦隊の構成員たちは、B-22戦艦の反応を必死に探ろうとした。

だが、それは無意味な事であった。


『とにかく....一度ワープで離脱する!』

「了解!」


艦隊はワープを行う。

ワープ中であれば、何物も手を出せないからだ。


『何が起きた?』

『分からない!』


騒然とする艦内で、男は相棒に話しかけた。


「くだらないよな、おい――――――え?」


だが、彼の相棒はそこにはいなかった。

喧騒の中で、ついさっきまで話していた相手がいないのである。

彼は周囲を見渡し、そして相棒の姿を見つけた。


「お、おい!? 窓の外に!」

「どうした? 何もいないじゃないか」


窓の外で、相棒の服を着た首なし死体が手を振っていた。

それを見てしまった彼は錯乱し、叫ぶ。

だが、それに反応した通信士官は、窓の外を見たが――――何もいなかった。

当然である。


「ど....どこに.....?」


男は何が何やら分からず、艦橋から逃げ出す。

走って、走って、走って――――――その時、携帯端末が鳴った。

取ると、男の相棒の名前がディスプレイに映った。


『おい、どこにいるんだよ?』

「どこにいたんだよ....」

『機関室だよ、お前もハヤクコイ』

「ああ」


男は安堵したように、機関室に向かう。

機関室の扉を開けた男は、そこで無事な姿の相棒と出会った。


「急にいなくなるからびっくりしたぞ」

「ああ、俺もシンパイシタゾ」


直後、相棒の背から触手が飛び出した。


「え――――」


そして、機関室には誰もいなくなった。




「機関に異常! 航行が停止します!」


誰もいなくなった艦橋で、機関長は報告を続けていた。

そして、顔を上げ――――


「あ、あれ? 皆?」


そして、気付く。

周囲の艦隊が、既に消滅していることに。


「な、何が――――」

『ヒヒヒヒヒ――――』


そして、彼もまた闇に呑まれ。

艦隊は完全に消失した。


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― 新着の感想 ―
[良い点] アレ?急に始まるホラー・・一体この話はどれだけの要素を詰め込んでいるんだ!(褒め言葉
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