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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
114/295

114-養子縁組(×100?)

下へ下へと降りていった僕は、ついに遺跡の最下層へと辿り着く。

扉が開き、通路に少しずつ灯りが点灯していく。


「ここの電力はどうやって?」

『相転移システムを使い、衛星側の重力圧発電から送電している』

「成程」


電力送信はVe‘zもやっているが、そんな面倒な方法ではなく双方向型ワームホールで直接転送していた。

それよりも、周囲の金属だ。

既知の物質組成を確認できない、つまりVe’zにとって完全に未知の金属となる。

それについて聞きたかったが、答える側にも選ぶ権利はあるだろう。

AIよりも人間に聞いた方が早い。


「どれほど歩けばいい?」

『そう長くは。ここは最終防衛ラインゆえに、長く遮蔽物を置きやすいように作られているので』


ということは、そこに追い込まれるような事があったのか?

そう思いつつ、僕はずっと奥まで歩き続けた。

そして、最終的に白い門へと辿り着く。


「これは?」

『今開く』


再び消滅するように扉が消え、僕は三重扉を潜ってその先の空間へと向かう。

その先には...深く暗い闇が広がっていた。

照明が点灯し、ここに何があるかが明らかとなる。

答えは床の下にあった。

透明な床の下には更に広大な部屋があり、夥しい数のクローンが横たわっていたのだ。

エリスがいたら、絶叫して気絶したかもしれない。

それだけ、ショッキングな光景だ。


「オリジナルはどれだ?」

『分からない、生命維持管理装置を修理しないことには...パーツはこちらで準備してある、送信した手順通りに頼む』

「ああ」


僕は目の前にある、意味深な装置に近づく。

手を触れると、装置のカバーが開いた。


『上から二番目の基盤に異常がある。交換されたし』

「承知した」


慎重に基盤を外す。

すると、基盤に浮かぶ紋様パターンに乱れが走っているのが見えた。

どういう技術かはわからないが、正しい基盤の紋様に乱れはないため、これを再度挿入すればいいのだろう。

基盤を設置すると、呆気なく異常が治ったようで、手を離した瞬間にカバーが元に戻った。


『このような些細な異常を、十数億年も...感謝する、異邦の者よ』

「御託はいい、どうやって下に降りる?」

『扉を開こう』


入ってきた入り口のすぐ横に扉が現れ、すぐに消える。

その先に空いた穴に僕が入ると、床が降りていくのを感じた。


『そこの石板が端末だ。既にリンクは構築されているゆえ、停止して貰えると助かる』


クローン室に降りた僕は、巨大な稼働音の中にいた。

ネオンライトの側にいるような、不気味な重低音がクローン貯蔵施設から響いているのだ。

すぐに端末にアクセスして、停止させる。


「.........」

『.........』


全てのクローンポッドが開き、僕らは結果を見守る。

結果として、驚くべきことが起こった。

全てのクローンポッドから、同時にクローンが起き上がったのだ。


「これは?」

『不明。未知の事態。異常事態』

「だが、話しかけてみないことには始まらないな」


恐らくマインドリンクも可能なはずだ。

僕は全員に対して精神同調を仕掛け、返答を確かめる。

だが、返ってきたのは無反応か、一人分の困惑だけだった。


『話せるか?』

『えと...僕は...いや、私...? 俺か...』


何か言葉に困っている様子の一人に、僕は話しかける。


『お前が司令官か?』

「...その回答に対する有効な回答を、小生は持たないのだがね」


驚いたことに、肉声で返してきた。


「どういう事だ?」

「吾輩の記憶は失われてしまったようだ。うむむ、この光景はなんだね?」

「お前がこの施設の権限者であると、ここの制御者から聞いたが」

「うむむ。我がそうなのであれば、恐らくそうだと回答する」


どうにも、会話に困る。

彼女は記憶を喪失しているのか、自分の人格に自分で驚いているかのような喋り方をするのだ。


『お目覚めですか、司令官!』

「ああ...君は誰かね?」

『イナヅマノカミ6型、基地管理人工知性システムです』


イナヅマノカミは恐らく、言語が翻訳された結果だろう。

向こうの言語での雷神の名前だ。


「うむむ...思い出せん。仕方あるまい、名もなき人」

「エリアスだ」

「エリアス、君の指揮下に入ろう。吾輩とこの分身達を助けてはくれないか? 差し出せるものは...よく分からんが、この基地ごとやる」

『わかりました。指揮権を委譲いたします』


...というわけで、僕の意見は珍しく聞き入れて貰えず、僕は知らずに数百人の養子を抱える羽目になったのであった。


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