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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
111/295

111-自然の中で

翌日。

僕とエリスは、街の外れにある港へ来ていた。


「どうやら、ここで料金を払って乗るようだ」

「ふうん、船頭さんがいるわけじゃないのね」


ここの海の沖には島があり、そこには遺跡が残されているそうだ。

しかし、街からは繋がっておらず、ではどうやって向かうのかと言えば、こうして町はずれの港で、小舟に乗って向かうのだ。


「......先に乗れ。恐らく、乗ってから操作するタイプだ」

「分かったわ」


エリスと僕は、カヌーのような形状の船に乗り込んで、船べりの操作盤を操作した。

直後、何かが外れるような音とともに、船は海の上を滑り始めた。

環境音を妨害しないように、エンジン音は出来る限り抑制されているようだ。


「海っていいわね....」

「そう、だな....」


船の速度は遅いのだが、空を飛ぶ鳥や流れる雲を楽しむという面ではエンターテイメントとして成立している。

惑星に居住する人間の方が少ないこの世界では、確実にアトラクションとして楽しめるのだろう。

僕も、必要最低限の場所にしか行かなかったので、こういうものは新鮮だ。


「釣り、とかもできるのかしら?」

「確か、港の方にレンタルサービスがあった筈だ」

「やった事ないのだけれど、ガイドとかいればいいわね」


僕が教えようかと思ったが、知識だけでものを行うと痛い目を見るのは散々経験した。

エリスと一緒にやって、覚えてみよう。


「あ、もうすぐ着くわよ!」

「結構早いんだな」


エンジン音が静かでこの速度。

やはり、前世とは技術力が隔絶しているようだ。

僕は刻々と迫ってくる島をじっと見ていた。







島に上陸すると、僕たちの前にガイドのホログラムが表示された。


『本島は環境保護エリアに指定されております。このエリア内でポイ捨てや破壊行為などを行った場合、罰金または禁固刑に処される可能性があります。くれぐれもお気を付けください』

「だって、エリアス」

「捨てるようなゴミも、何かを壊す理由もない。留意する程度でいいだろう」

「そうね」


島への入り口のゲートの横には、球体の何かが浮いていた。


『ガイドボールを使用いたしますか? お散歩コースや、観光スポットのご案内、解説などがご利用できます』

「使いましょう」

「ああ、そうだな」


ガイドボールは反重力制御で、僕たちについてくる。

ガイドコースを外れないように、ホログラムで矢印が誘導してくれていた。


「......それにしても、自然の中というのは...こんなにも情報が多いんだな」

「そうね....」


音、匂い、肌を撫でる風。

気分転換にと、近所の公園に向かうことはあったが、ここまで情報が多かっただろうか?

所詮人間の手の入った自然では、この雰囲気を出すことはできないのかもしれないが。


『ここは嘗て、島民からは死の道と呼ばれていました。現在は隔離の上移植された、毒の胞子を撒くキノコの群生地でした』

「.....」


ガイドボールの案内を聞きながら、僕たちは進む。

そのうちに、苔むしたオブジェのある広場にたどり着いた。


『この場所はエーガの在る場所と呼ばれ、死の道の先にある海へ死者を送る場所とされていました、この像はエーガという、彼らの神のような概念の総称です』

「ねえ、エリアス――――死んだ人間はどこに行くのかしら」

「....分からないな、転生するのか?」


僕がまさにその例だった。

だが、一度しか経験したことがない事象を、観測したと言い張るのは間違っている。

他の転生者に出会えれば、転生説は立証できるのだが。

僕たちはそんなとめどの無い会話を続けながら、林道を歩いていくのだった。





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